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あの女性は涙を浮かべていた 〜「ロマンティック・ロシア」@Bunkamura~

『ロマンティック・ロシア』@Bunkamura ザ・ミュージアム へ行ってきました。

ロシアの春夏秋冬を描いた風景画と、ロシアの人々の暮らし、子どもらの姿を描いた絵と、私の好きなレーピン作の肖像画と・・・
ちょっと無理して出掛けて良かった。

本展のポスターにもなっている クラムスコイの《忘れえぬ女》には 惹き込まれました。

少し長い時間をかけて鑑賞しましたが、モデルの女性、よく見ると瞳が潤んでいる。下目遣いをしているので、実物を見るまでは「見下している女性?」と思っていましたが。

解説を読んだら、これは 死期の迫った女性がモデルで、あの表情は、悔しさや諦念の滲んだものだったのだと知りました。勝ち誇ってるわけじゃなかった。

風景画は、広大な土地、動き続けている季節のなかの、どの一部分、どの一瞬に輝きを見たのかと思うと感動します。
人物画は、描かれる人々の暮らしを想像して、愛おしさに満たされます。

そして私はたぶん、ロシアに生きたことがあるんだと思うのですが、ロシアの絵画を観ていると、もろもろ甦ってくるんですね。ピンとくる。ピンときすぎる(笑)

自分には、創意工夫好きなところとか、我慢強さとか、厳しい季節と躍動の季節のサイクルに敏感に対応するところとか、自分の内側へ深く向かっていく傾向とか・・・、良くも悪くも、ロシア時代に培ったものが たくさんあるのだと、今回改めて思いました。

東京の美術館はいつも混んでいますが、海外からやってくる絵画を観に行って良い時間を過ごす度に、これは東京にいることの良さだなぁと しみじみ思います。

ロマンティック・ロシア、渋谷のBunkamuraで27日までです。
お薦めします星

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