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嗜癖(addiction)の目的は、心の痛みから逃げること

嗜癖(addiction)には、アルコールや薬物などへの「物質嗜癖」、ギャンブルやショッピング、ゲーム、ネット依存、ワーカホリックなど「行動プロセスの嗜癖」、さらに、恋愛、性行為、DVなど「人間関係の嗜癖」…と、さまざまなものがありますが、
それらの目的はどれも、心に抱える痛みから気を逸らし、痛みを感じずに済ませようとすることです。

本当は心に痛みがあるんだけれど向き合うことができない、でもその痛みからは逃れたい…
だから、「鎮痛剤」や「麻酔薬」のような役割を果たしてくれる “何か(嗜癖対象)” を求めるわけです。

すべての嗜癖の核には孤立感、強烈な寂しさがありますが、嗜癖から解放されたい(〇〇をやめたい)と思ったら、その大元のところにあって痛んでいるところとしっかり対面して、そして丁寧に手当てをしていくことが必要です。

向き合えないくらい苦しいから嗜癖にはまり込んでいるわけですから、短時間で簡単に…とはいきませんが、
専門家のサポートを受けながら、痛みに共感して癒していってあげると、少しずつ痛みは解放され消えてゆき、それにつれ、嗜癖を求める欲求は弱くなります。確実に変化します。

これ(痛みに向き合うこと)をせずに、「我慢」や「意志の力」だけで克服しようと思っても難しいでしょう。
物質(アルコールや薬物など)への依存を断って快復することの難しさはよく知られているかと思いますが、その他の依存(行動プロセス嗜癖や人間関係嗜癖)も同様で、
根本的な治療のためには、嗜癖の対象を断つことが半分、残りの半分はそもそも「何か」によって誤魔化してきた傷や痛みを根本的に解消することです。たとえ家族が、お酒を隠しても、スマホやゲーム機を捨てても、クレジットカードやお金を取り上げても、それだけでは解決しないことはお分かりになると思います。

嗜癖からの解放は、努力とか意志の力とかで克服できる問題ではありません。
しかし、そのことを知らずに苦しみ続けている人は多いです。
ぜひ、専門家を訪ねていただきたいと思います。

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