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「なぜかイヤな実家に戻ってしまった」

優秀で多才でハイセンスで容姿も麗しく・・・、そんなにいろいろ持ってるなら人生スイスイ思いのままでしょうに・・・と思われる人が、親御さんとの問題が解決できなていないばっかりに、”たびたびケつまづいて転び” “起き上がれなくなって” 気づいたらもう動けないくらいのダメージを心身に負って、手に入れたもの、積み上げてきたもの(お仕事とか友人や恋人との関係とか・・・)を手放すしかない、という状況に陥っている・・・。
そういうお話を伺うことが、ときどきあります。

昨晩、zoomで1年ぶりにお話ししたSさん(30代女性)も、まさにそういう状況でした。
Sさんは、世界のあちこちの国で人の暮らしに欠かせない物を売るお仕事をしてきた方で(Sさんはクァドリンガル。いや、ペンタリンガルだったか…)、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジア・・・と幾つもの国に住んだお話も聞いたことがあったので、今はどこの国にいるんだろう、コロナの影響で帰ってこれていないとか・・・? などと思いながら通話を開始したのですが・・・
なんとSさん、日本・・・しかも ご両親の住む田舎の家にいて、もうとっくに仕事は辞めていて、恋人も友だちも、もう誰も周囲にはおらず、独り自室のベッドの中で過ごしている・・・というのでした。

Sさんは、このように苦しんでいました。
これまでを振り返ると、仕事でもプライベートでも、どこで何をしていても、自分の頭の中には親が居座っていて、その親はいい年をした自分に、あれこれ指図をし、ダメ出しをし、失敗を嗤い、他人は信じちゃいけないと戒め、気を抜くなと駆り立ててきた。
自分は誰と居ても、親と居る気がする。親が褒めること、親が喜ぶこと以外を選択できない。
両親には脳内から出て行ってもらいたい。さもなくば私はもう・・・。

そしてわざわざ、その「脳内から出て行ってもらいたい」両親の住む家に、戻っているのでした。

ご両親と一緒の暮らしは「それはそれは窮屈だし不愉快」だそうですが、
「なぜか実家に戻ってしまった」ことの意味を考えたい、親との未解決な問題が存在していることを認めようと思う、”終わったこと” にして先へ進んでも、本当の意味で納得して越えない限り、自分はまた同じトラブルに遭遇して苦しむ気がする・・・、とおっしゃいました。

“なぜか実家へ帰ってしまった” と言うのを聞いて、無意識ながら明確に、これまで避け続けていた大事な戦を決めたのだなと思いました。「超接近戦」はしんどいでしょうが、取り組んだだけの成果は必ず出るでしょう。私も全力で応援します。

自分はこの両親から、まだ何かを貰いたいんだろうか、引き出せるだろうか、「もう要らない」あるいは「もう諦めようよ」と思えるときはやってくるだろうか・・・
無理せずにゆっくりと、そんなふうに自分に問いかけながら、いってほしいと思います。

好ましくない出来事というのは「お知らせ」「警報」なわけですが、もう逃げ回らず、なんであれ身に起こることを(誰かのせいにせず)自分のものにすると決めて動き始めたSさんはきっと、
一見、停滞や後退に見える「実家がえり」を 新しい幕開けの時にして、望む未来を創っていくことと思います。

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