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戸惑いつつ来室する男性たち

女性と比べると多くはありませんが、ときどき男性からのご相談をお受けします(私のところは男女比1対8~10です)。
20~30代の方は、女性と同じように恋愛のこと、お仕事のこと、自分自身の人生のことを相談に見えますが、それ以上の年代の既婚の方は、ご家族の問題を「妻に行ってこいと言われて」「なんとかしてくれないなら離婚すると脅されて」”渋々” 来られるケースがとても多いです。
自発的ではない、積極的ではない。

ジェンダーの問題がメディアなどで盛んに扱われるようになったのはここ数年のことですが、男女雇用機会均等法が成立・施行されたのは昭和の終わり・・・、この30年余をかけて日本では、男女の不平等は議論され少しずつ改善されてきているのだと思いますが、中高年にとっては「本音を言えば 理解できない」、「外ではとてもじゃないけど言えないが 受け入れがたい」というところがあることなのでしょう。もちろんいち早く理解して受け入れている男性もたくさんいますが。

理解出来ていないし、”旧い” 考えを手放すことも出来ないから「パートナー(妻)が “怒っている” ということは分かるが、どうしてそんなふうに考え、怒るのかは分からない」・・・、「分からない」のにカウンセリングに行けと言われたから来たということに対しては気の毒にもなります。
少し前に、首相経験者が「(私たちの組織に属している女性たちは)わきまえておられる」と言って猛反発を受ける、ということがありましたが、あれについて「あんな程度でも非難されちゃうんじゃ、もう何も言えませんよ」と言った方がありました。本音でしょう。
しかし、そのような考えなのだとしたら、夫婦の問題、家族の問題に関して、当事者意識など持てるはずはないなぁ、どうしたものだろう・・・と思います。

でも、どんな役割分担、関係性でいくにしても、夫婦でよく話をして納得し合ってやっていきたいものです。
外でも本音は言えない、家の中でも言えない、だからもうひたすら我慢、というふうで居てほしくありません。

カウンセラーとして思うのは、女性もそうであるように、男性も批判されることなく否定されることなく、自分の本音の話を聴いてもらう場所を必要としているのではないか、ということです。最初の一歩、ですが。

渋々、あるいは、おそるおそる、ご自分のことを語り出して、次第にご自分の思いや欲求に気づき、そのことで元気を取り戻し、新しくて前向きな考えを手にされる男性相談者さんをお送りする度、カウンセリングがそういう場所として機能することを感じ、提供できてよかったと思います。

 

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