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理解されない病気

*「対面セッション休止」延長のお知らせ*
7月21日(水)より 銀座での対面セッションを休止してまいりましたが、新型コロナ感染症の流行の状況を考慮し、引き続き「対面セッションは休止」とさせていただきます。
当面はオンライン・セッションもしくはメール相談をご利用ください。
再開を決めました際にはまたお知らせいたします。ご不便をおかけしますが宜しくお願いいたします。
ご質問等ございましたら、お気軽にメールにてご連絡くださいませ。

身体の病気にも もちろんあることですが、心を病んでしまった時は、それを周囲に理解してもらえない、ということが ままあって、それはご本人の辛さを増す大きな要因になります。
とかく、甘えじゃないのか、出来る工夫があるはず、気合いが足りない、誰だって程度の差こそあれ大変なんだ…、などなどと、そんな言われ方をしがちですが、それでも “鬱々としていて元気がない” という症状を呈する病気ならば まだ、いたわりや同情も受けやすいでしょう。

でも、人には、見た目に元気でも じつは深刻…という病気もありますし、健常と病気の境界は曖昧ですし、ご本人の自覚が正しいわけではありません(軽く考えている人も多いです)。
なので相談室をやっていると、「一見そうは見えない、あるいはご本人は軽く考えているけれど “なかなかに重い心の病気の方” にお会いする」ということがあります。

そういうケースでは、その方の心の辛さを多少軽減して差し上げることはできても、根本的な治癒を目指すには特別な機関のプロの支援を受けねば難しい…というお話をするしかない(それでお終いになる)こともありますし、そこまでではなくても、相当な時間と労力を使っていくことを覚悟しなくてはならない、ということをお伝えすることになります。
多くの方はそこで諦めたり失望したりすることになりますが、お見送りする私の方も、なんともいえない苦い重い気持ちになります。

アディクションの問題、とりわけ “法に触れかねない行動” から離れられない状態にある人の問題をお受けした時は、ご相談者本人(またはご家族)の認識が、私の捉える状態とかけ離れていることが多いため、とても難しいと感じます。
たとえば、何か物質への依存も、ギャンブル・買い物・S EXも、あるいは “見つかったら即捕まる” ような行為も、理解の無い周囲から見たら「好きでやってる」「快楽のためだろう」「懲らしめた方がいい」ということになりますが、それは違って、本人は楽しくなんかない、本当に苦しいのです、苦しさから逃れたくてやってしまう、という話なのです。
これは、周囲から理解してもらえない、ということもありますが、ご本人が理解していない、ということもあります。そこから始める取り組みだから本当に難しいんですね。
目に見えやすい身体の病気もそうなのですから、心の病気が、単に症状(問題行動)をコントロールできればよい、と考えてしまう(=だから本当の治癒までたどり着けない)のは当然なのですが…。

上に、治癒の難しさを知って諦めてしまう人が多い、と書きましたが、そんななか、諦めたくない、なんとか治したい、といって頑張って快復された、という方もいます。
昨日は、諦めないで2年間頑張られた方(40代男性)から、久しぶりに近況報告の嬉しいメールをいただきました。
私というカウンセラーの、根気強い道案内とコーチングに感謝してくださっていましたが、私が思うに、治せたのは、孤独を選ばずに人の居る温かな場所に踏みとどまり続けた、その勇気と忍耐力と賢明さがあったからです。

人によって傷ついたからといって独りで居ることを選び続けていると、人はどうしても病みますね。
痛みを麻痺させよう、辛さを忘れよう、として、様々な “問題行動” に出会い、常習化させ、抜けられない沼でさらに藻掻いては深みにはまってしまう…。
けれど、よく言われるように、傷つけるのも人なら、癒してくれるのも人。「独りきりで居るしかなかった自分が、人と交流できて安心できるようになる」…そんな日が来るのを信じてそちらの方へそちらの方へと向かう努力をやめなければ、必ず助かるし、助かるどころか大きく成長するのだと思います。
そうなったときには、求めれば法を犯してしまうようなものなど、もう必要がありません…。
このプロセスは尊いなぁ、これを体験した人が手に入れたものは大きいなぁと、昨日はいただいたメールを読ませていただいて、思いました。

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