BLOG

カウンセリングと日常生活

誰か不機嫌な人がいると、「これって自分のせい?」と思って不安になってしまう…
いつも「ここにいる人たちに迷惑かけてないかな」「何か役に立てることはないかな」と 怖れから思って、”無駄に” 動いてしまう…
そういうところが自分で嫌になる、常に疲れている、直したい、変わりたい、ということで、カウンセリングを続けていた人がいました。A子さん。30代女性。

このA子さんの、気楽さや心の平和を得ていくまでのプロセスとしては、認知行動療法的な取組みを軸にしてきました。
これは、健康的とは言えない ”歪んだ認知” や考え、行動を、ひとつひとつ拾い出しては修正していく…という根気のいる作業でしたが、A子さんは着実に、変化していらっしゃいました。

ただ、多くの方がそうですが、「カウンセリングルームでは理解し手ごたえを感じ変われた気持ちになるのに、日常生活に戻るとやっぱり、”長年のクセはそうそう変わらない” ということを思い知ることになる」「そして、諦めてしまう」ということになりがちなものです。

でも、A子さんの場合、カウンセリングにおいて得たことを、日常の中で「復習させられたり、試験を受けるようなことが起きたり、まるで『それでいいんだよ』と言われるような、ご褒美みたいな出来事があった」ことで、「初めは別個にあったカウンセリングの場と日常生活の場が、繋がって溶け合ったかんじになった」ということでした。
そうなったことで、願った変化の定着が、ひとつひとつ進んでいったのだと思います。

とりわけ大きかったのが、「カウンセリングの終盤、実生活の中で出会い交際を始めた人が、とても寛大で優しく、自分の心の緊張をほどいてくれた、安心させてくれた」ということだったそうです。
「手放せないと思っていた信念」をおそるおそる手放していくという作業を進めているときに、 “こんな私” を好きだと言い、ゆったりと包むように居てくれたのだそうです。

その出会いがなかったら、続けて来たカウンセリングも、”なんとなくよかった、ためになった” 程度でお終いになっていたかもしれません。
「自分なんて…」「どうせ私は…」という思い癖を手放そうとしたときに、「人生は楽しい」「そんなもんで十分」「心配いらない」を体現しているような人と出会って、その人から大切にされる…というのは、何よりの力になったことと思います。本当に良かった。

でもそれは、たまたまラッキーなことにそんな人に出会えた、というわけではなくて、心から変わりたいと願ったA子さんが、変わっていく道の上をちゃんと歩けていた証拠として、絶妙なタイミングで出会えたのだと思います。

この度、その方と結婚する、という報告を受けました。
とても嬉しい。
心からのおめでとうございます!を伝えました。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP