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「分からないけど分かりたい」ーー婿殿の大きな変化

米国留学中だった娘の旦那さん、1年前に大学に休学届を出して帰国していました。
我が家の隣の市に住まいを借りて妊活に入ったのですが、幸いすぐに授かって、この春には女の子が誕生しました。
婿殿Tくんは8月下旬の復学に合わせて間もなく、娘とベビーは ひと足遅れで9月に、渡米することになっています。

3人は、マンションを先日引き払って我が家に滞在中なのですが、赤ちゃんを育てる若い夫婦の暮らしを傍で見ているのは、微笑ましくて楽しいです。

私が2人の子どもを産み育てたのは平成の初めでしたが、それから30余年、当時は見られなかった「男親の育児休暇」も今は普通になってきていますね。Tくんも、子どもができたら、育児を “手伝う” というスタンスではなく、しっかり休暇を取って「母乳を出すこと以外なんでもやる!」と決めていましたので、日々、娘と共に、積極的に子育ての主体者として頑張っています。

婿殿Tくんは、以前にも書きましたが、ちょっと類を見ない優秀な人で、まぁ、私の夫と同じ系統の(?)科学系宇宙人で、頭の中が さっぱり分かりません。どんな機能の脳で、どんな活動をしているんだろう…、見当もつきません。
そんな頭が良すぎる婿殿Tくん、小さな頃から「理解されない」という寂しい経験をしているようです(そりゃそうだ…とも思いますが…)。
娘が交際を経て結婚を決めた頃だったか、「Tくんは、他人に期待をしないんだよね」「人の気持ちなんて分かるものじゃないって考える」「すっごく優しいけど、立ってる地平が違うんだろうなってことを感じることがあるよ」と言っていたことがありました。私もそんなふうに感じていました。
かんじが悪いとか失礼だとかいうことは一切なくて、いつもニコニコしていて穏やかで、 “The 科学少年” という雰囲気の愛らしい人なのですが…。

でも、そんな「人の気持ちなんて分かるものじゃない」を前提にしていたTくん、結婚して子どもを持って1年余り…、大きく変わってきています。
これは、先ずは我が娘という、出会ったことのないタイプの人間に、興味を持ち惹かれ、大事に思ってくれたこと、そして何より、可愛い娘が誕生して、言葉で表現することのできない人(赤ちゃん)の発するメッセージを、渾身で理解したいと思ったことによるのでしょう。

他人の気持ちなどわからないもの。
そこで終わっていたTくんが、「分からないけど 分かりたい」と強く願ったことは、本当に大きいな、と思います。以前の知り合いが見たら「違う人になったようだ」と思うほどじゃないかしら。

世の中は、たくさんの人の「分からないけど 分かりたい」で、温かく豊かなものとして保たれていると思っている私なので、この婿殿の変化、とても嬉しいのです。

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