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「子」に対して「大人」「親」で居られるか

家庭の問題。親子の問題。
私の場合は、「親・子」の「子」の方からのご相談が断然多いです。
親子の問題に悩んだり苦しんだりして相談にいらっしゃるのは、「親」ではなくて「子」の方、ということです。

でも、「親」の立場でご相談に来られる、私と同世代またはそれ以上の方というのもいらっしゃいます。
身に覚えのあるようなお話になり身につまされることが多いのですが、どちらかというと厳しめのことをお伝えすることになります(ほんとは、最低限のこと、ごく当たり前のことなのですが、その方にとっては厳しい内容かな、ということです)。

我々世代の多くがカウンセリングというものをどう捉えるかを思えば、”カウンセリング・ルームを訪ねる” という行動をとられるだけでも 凄いことだとは思います。「なんとかしたい」という思いは尊いので大事にしたい、と。

ただどうしても、「じつはさっぱり理解できない(理解する気になれない)」のが本音だ、ということになることが多いです。
そりゃあ、私にも悪いところはあったかもしれないけれど、一生懸命やった、責められたくない、労ってもらいたい、感謝されてもいいはずだ、私だって辛かったんだ…、と。

これまでの道のりのお話、その方の幼い頃からの苦労など、お話を聴くと、その方が精いっぱいやってこられたことはよく解りますから、それらはそれらで十分に癒していく必要がありますね、とお伝えして、何をどうしていきましょうか、というお話はします。

でも、それとは別にやっていかなくてはならないのが、お子さんのために頑張る、ということなんだということを、分かっていただきます。
苦しんでいるお子さん(もう30歳でも40歳でも…)を助けるため、お子さんとの関係を健全なものに変えていくために、親御さん自身が より大人になって、強くなって、お子さんが求めていた親、お子さんが欲していた家庭が どんなものだったのかを、今からでも考え、理解してあげることだ、ということをお話しします。

この取り組みにおいては、「親の方が子どもの気持ち(子どもが子どもだったときの気持ち)を尊重して受け入れること」「どんなことであれ、否定や批判をしないこと」が出来るかどうかが最も大事になります。
「私のやってきたことは正しい、間違っていないはずだ」などと言っても仕方がありません。
あくまでも “その子にとってどうだったか” ・・・それが全てです。

もちろん、その親御さんがその「親」との問題を見ていく、癒していく、という場合においては、その親御さんが「子」として全面的に尊重されねばなりません。

「親」と「子」の問題(機能不全家族の問題)においては、親と子を “お互い様” にはしません。
常に子ども側の気持ち、子ども側の言い分を のびのびと自由に表現させることで、解決を目指します。

もしそれに対して「(子どもばかり尊重されて)ずるい」「私だって辛いんだ」という気持ちが出てくるようなら(大人として親として居ることが難しいようなら)、ご自分のインナーチャイルド(傷ついた子どもの部分)の声を、聴いてやる必要があるでしょう。

親子問題は、放っておいたら世代間で連鎖していきます。
親から受けた傷が癒されることなく大人になり親になった人は、様々な形の、それと分からぬ虐待を、子どもに対してしてしまう、ということです。
「私は自分の親のようにはならない」とあれほど誓ったはずなのに・・・です。

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