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「 “どうせ私なんか…” と勝手に たそがれた」

お客様から聞かせていただいたお話。許可を頂いたのでご紹介します。

そのお客様Mさんは、ご自身の「不幸体質(自称)」を変えたいと言って、ときどき来てくださる方です。
先日、こんなことがあったのです、とお話しくださいました。

遠くへ転居することになった友人から、仕事が忙しいのでタイトなスケジュールで引っ越し作業をしなくてはならない、できたら越してすぐの週末、荷解きや片付けに、泊まり込みで来てくれないだろうか…、と頼まれたのだそうです。
交通費は出す、と言われたMさんは快諾して、新幹線を使って行って手伝ってあげることにしました。

一日中よく働いて、ウーバーで頼んでもらった食事をとって、さぁでは今日はここまで、また明日、おやすみなさい、ということになったのですが・・・
Mさんが寝床として用意してもらったのは、
荷物の入っていた段ボールを何枚か敷き重ねたものと、キャンプ用の寝袋
だったのだそう(お友達は自分のベッドに就寝)。

「フローリング床に 段ボール+寝袋」という寝床をMさんは、仕方ないか…と受け入れて寝たものの、硬くて痛くてよく眠れず、翌朝は体があちこち痛かったそうです。
でもMさん、お友達に何も言わず、2日目も終日、片付けたり組み立て家具を作ったり…と よく働き、2晩めもまた、お友達は自分のベッドで、Mさんは床の上に置いた寝袋で、休んだとのことでした。

そして3日間のお手伝いを終えて、ありがとう!助かったよ!と言ってもらって新幹線で帰って来たのだそうですが…
Mさん、新幹線の中で、ものすごく惨めになってちょっと涙が出たそうです。
でもまぁ長いつきあいの友人の助けになれてよかったかな、と思うことにして、車中は爆睡だった、とのことでした。

でも帰って来てから、友人の無神経さに腹が立ち始め、なんだか悲しくなり、何日もモヤモヤしていたそうですが、
しばらくして思ったのだそう。

どうして私は「Mはこの寝袋で寝てくれる?」と言われたあのとき、「えー?それはないよ」と言えなかったんだろう。
そしてどうして、その翌朝「体があちこち痛くなっちゃったよ。今夜は段ボール+寝袋はカンベンして~」と、あっけらかんと言ってみせることもできなかったんだろう。
友人は鈍感な子だけど悪気はないんだし、寝袋で寝て体が痛くなったと知らせたら、きっとすごく驚いて、モーレツに謝って、急きょ客用布団を買ってくるとかなんとかしてくれたはず。
自分はどうして、何も表明せずに我慢して、どうせ私なんて…と 勝手に惨めになったり勝手にたそがれたりしてしまったんだろう。
これは友人に怒るんじゃなくて自分に怒らなくちゃ。
郷家さんもよく言うことだ。自分のことは自分が大切に守らなくちゃ。自分なんて…と自分を粗末にしちゃいけない。人は、自分が自分を扱うように、扱うんだった。
あぁ、またやってしまった…。

寝袋じゃ困る、と言えなかったこと、そっかMさんらしいな、わかるなぁ…とも思いました。
Mさんは気弱でほんとに優しいので、お友達から雑な扱いを受けても「まぁいいか」と許してしまう…。

でも、Mさんの言うとおりで、打ち明けてみればよかっただけのことだったんですよね。
お友達はほんと、気付かないタイプの人なんでしょうけれど(苦笑)、アンタは段ボールの上で寝て痛い思いをすればいい!なんて思ったはずはないのだから。

「どうせ私なんて…」という思いを持っていると、こういう体験をするものですが、Mさんは、もう今後こういうことがあったら自分のためにちゃんと主張して自分を守る、と決めたそうです。
「自分なんてどうせこんなもんだ」なんて思うのはやめる、卑屈な “奴隷根性” も返上する、と。

これ、もともとそれが出来ている人には「なんのこっちゃ。 なんで手伝いに行った私が、ひとり寝袋に寝なくちゃいけないのよ(怒)」という、ありえない話でしょう。
でも、”分かる人には分かる” エピソードだと思ってご紹介しました。

しかし・・・
“床に段ボール敷いて寝袋” を2晩・・・??
無いわぁ・・・(>_<;)

 

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