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思春期の頭のなか ~映画『インサイド・ヘッド2』

『インサイド・ヘッド2』観てきました。
前作『インサイド・ヘッド』から9年、主人公の女の子ライリーは高校進学前の13歳になっていました。
「ヨロコビ」「イカリ」「カナシミ」「ムカムカ」「ビビリ」という “5人” の感情が、ライリーを守りライリーの幸せのために奮闘していた前作でしたが、今作、思春期に入ったライリーの頭のなかの司令室には、新たに「シンパイ」「イイナー(羨望)」「ハズカシ(恥)」「ダリィ(怠)」という ”4人” が加わった・・・というか、元いた5人に取って代わる形で(「思春期アラーム」が鳴りました!)、ライリーの気分や思いや行動を、コントロールすることになっていく、という時期のお話でした。

子どもだったライリーには、これまでに体験してきた大切な記憶/思い出が貯蔵されている《泉》からアウトプットされる信念によって育てられ咲いていた《ジブンラシサの花》(←自我ですね)があったのですが、
思春期に入ったライリーの頭のなかに生まれた感情(中心になっていたのは「シンパイ」…あらゆるネガティブな未来を予測し十歩先を考えて、対応できるようにする役目)が発動して、ライリーの《ジブンラシサの花》は、もぎ取られ彼方に投棄されました。
思春期には、自分は自分のことをどう感じるか、という視点より、他人は自分のことをどう見るのか、という視点が優先するし、激しい感情に、大いに動揺し混乱し、葛藤するわけです。心理学者・河合隼雄先生の言うように、人によって思春期は「サナギの時期。そっとしておくしかない。触ってはいけない」のですが、今作では、思春期ってそういう時期なんだ、ということを、素晴らしい表現で見せてもらいました。ほんとにピクサーったら、感情の擬人化だなんて…!

お話の終盤、ライリーは、それまでのように感情たちに操作されるのでなく、自分から「ヨロコビ」を呼んで、喜びを感じたいという欲求に、感情たちが呼応したシーンがありましたが、ぐっときました。
そうやって感情をコントロールし、ひとつ越えて成長し、それに伴って《ジブンラシサの花》も変化したからです。

すべての大人が共感する作品でしょうし、 “かんじ悪い” “理解できない” 思春期のお子さんに悩む親御さんが、我が子の頭のなかを想像するのを大いに助けるお話だと思いました。
まだご覧になっていない方は、ぜひ☆

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