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他者との距離感

大人(親)が子に、無関心で必要なものを与えなかったり、常に “毒” を撒いていたり・・・と、そういう家庭環境で辛い思いをした人は、「他者との距離感」が分からず間違えて、トラブルを起こしたたり嫌われたりしがちです。

人は小さい頃、本能で親を求めて寄っていくわけですが、寄って行ったのに受け止められず、包まれず、拒絶されたりして、大いに傷ついた・・・という過去を持っている人は、気安く他人に近づくことができません。
心を開くなんて恐ろしくて無理ですし、軽いスキンシップなども難しい・・・ということもあるかもしれません。
とにかく人が怖いので常に緊張しています。
当たり前ですね。もう、期待を裏切られて傷つきたくないですから。

でも、そうかと思えば、「あ!この人!」と思った相手には、一気に近づいてしまい、度を越えた近づき方をしてしまい、相手に負担をかけ、困惑させたり疎ましく思わせたりしてしまいます。

なんでも曝け出すから聴いてほしい、受け止めてほしい、甘えさせてほしい、離さないでほしい・・・という欲求がぶわーっと溢れてしまうわけですが、相手からしたら、戸惑うし息苦しくて重い。迷惑に感じることもあるでしょう。
積年の欲求が噴き出して制御できないかんじになってしまうのですが、される側からしたら “引きます” よね。

逆に、相手に対して過度な世話焼きをしたり迷惑なアドバイスをしたりしてしまうこともあります。
“お役に立ちたい” “褒められたい” のです。
でも残念。それもまた、鬱陶しがられたり不快に思わせたりしてしまいます。

他者に近づくことができないか、逆に、近づきすぎてしまうか・・・。
両極端。へたっぴ なんですね。

いずれも、そうしてしまう本人は、精一杯。
必死でやって、 “それ” なのです。
他者との距離の取り方というものを理解していないんですね。
恋愛も友だち関係もうまくいかなくて、なぜ?と悩むことになります。

このへんのことを見ていくのはなかなか大変なことです。
本人にその自覚がなくても、「愛情飢餓状態」のまま大人になってしまっている・・・ということの深刻さ、です。

30歳でも50歳でも・・・満たされなかった「幼児的な欲求」をいまだに持っている、ということはあります。
誰でも多少は持っていますが、その強い幼児的な欲求のせいで いつも人間関係がうまくいかない、寂しくて苦しい、ずっと不安を抱えている・・・、というレベルだとしたら、一度しっかりとしたセラピーを検討してみることをお勧めします。根深いものがあるはずだからです。

癒されて元気になったら、他者との大人同士の対等な関係、適当な距離感の健やかな関係を持つことができるでしょう。
それがある人生は、豊かで楽しいと思います。

 

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