「知った」だけで終わらないでくださいーー「AC回復」「インナーチャイルドセラピー」5つのステップ

お客様とセッションを重ねていて、ときどき思うこと。
残念だなぁ難しいなぁと思うこと。

「ACの回復」「インナーチャイルド・セラピー」の話です。

たくさんの本を読み、ネット上の記事などで情報を得て、相当な知識をつけてからカウンセリングにいらっしゃる人、結構いらっしゃいます。
そういう方は、まず話が早い、ということもあるし、セラピーを進めていこうとしたときに、”予習” “準備運動” が済んでいるわけなので、順調に、深く、進展していきそうなものなのですが・・・、意外とそうはいかなかったりします。

自分の生きづらさの原因が、どうやら子どもの頃の環境にあるようだ、と知ると、初めは驚いても、安心する人が多いです。
「私と同じような人がたくさんいるんだ」と勇気づけられたり、「今現在の “大人の私” に起こっている問題に取り組むわけではない、済んだ話を解釈し直せばいいんだ」というふうに思って、ちょっと易しい話に考えたりするからでしょう。希望も抱けますよね。

でも、「答え合わせ」ができたらそれでいいような気がしたり、安全だと保証されていない悪路も通るなら それは怖くてイヤだなと感じたり、「だいたい何回くらいセッションに来たら良くなりますか?」と受け身な姿勢になってしまったり・・・。よく解るのですが、だんだんと消極的になり逃げだしたくなり・・・継続が難しくなって終わってしまうんですね。

そうなってしまいそう・・・と感じた方に対しては、古傷を刺激して痛みを感じる状態でお帰りいただくことにだけはならないよう最大限の手当てはさせていただきたいと思いますが、それでも、いずれまたどこかで何かの形で取り組んで、お元気になるとよいなぁ・・・と思いながら見送るしかなく、そこでお終いになってしまうこともあります。

「ACの回復」「インナーチャイルド・セラピー」は、
STEP1[知る]→ STEP2[味わう]→ STEP3[嘆き悲しむ]→STEP4[癒す]→ STEP5[育てる、赦す]
という5つのステップを体験していくイメージです。行きつ戻りつしながら。
それぞれがどんなものか、書いておきます。

●STEP 1 知る
まず、機能不全家族、アダルトチルドレン(AC)、インナーチャイルドといった概念、また、人が普遍的に持つ『見捨てられ不安』について学びます。
それから、自分の原家族では何があったのか、自分の身に何が起こっていたのかを理解し、それが現在の自分の生きづらさにどう影響しているのかを認めます。

●STEP 2 味わう
過去を吟味します。親から受け取ったもの、受け取れなかったものによって、生き延びるために自ら身につけてしまった「クセ」「しばり」に気づき、それを吟味します。

●STEP 3 嘆き悲しむ
喪失をとことん嘆き悲しみます。インナーチャイルドの声を十分に聴きます。
決して、しょうがなかったと言い訳したり、親の立場をかばったり、今さら思い出しても仕方がないと諦めたりせず、とにかく無条件に言い分を聞き、感情を吐露させるプロセスです。
ここはキツいので、信頼できるプロに伴走してもらってほしいと思います。

●STEP 4 癒す
本当は親にしてほしかったこと、言ってほしかったことを、インナーチャイルドに語ってもらい、慰めます。ここは、うんざりするくらい何度も何度も、十分に。
そして改めて自分に問います。子どもの頃に担わざるを得なかった役割、考え方のクセ、しばりに基づく行動を、これからもずっと続ける必要があるのか? もういいんじゃないか? と。

●STEP 5 育てる、赦す
「しばり」から解放され癒された自分の再構築をします。大人の自分がインナーチャイルドを育てていくイメージです。
耐え忍び生き延びることで精一杯だったとすれば、大人になった今も、生活を楽しみ、真の自分として人生を創り謳歌していく…ということを難しく感じることでしょう。
それが、自分の責任で好きなように生きていくんだ、という覚悟ができて、この先を展望できるところまできたら、とりあえず「一回戦終了。頑張ったね私☆」です。
親に関しては、たとえば「親の育った家庭環境ゆえの世代間連鎖によってそうならざるを得なかったのだな」と理解し、ある程度は 受け入れ、赦すことができるようになっているでしょう。

これは、子どもの頃に受けた いまだに痛む傷を癒し、子どもの頃に身につけてしまったクセによって繰り返しているパターンや「生きづらさ」を手放し、本来の自分らしい自分、ありのままの自分として、生き生きと楽しく生きていかれるようになることが目的のセラピーですが、
一度やったらといって完全に回復して晴れ晴れと・・・というものではありません(私など、相当な時間とお金、相当な労力を継ぎ込みましたが、「人生を取り戻したかった」ので仕方がなかったです…)。

でも、せっかく大変な目に遭ったのですから、その体験は大事に使って(諦めたり不貞腐れたり開き直ったりせず…)、「ケガの功名」「雨降って地固まる」にできたね、と自分に言ってあげられるといいなと思います。
「私はACなのでこんなもんです」とか「機能不全家族育ちなので仕方がないです」では終わらないでほしいです。

長くなりました。今日は、生きづらさの原因が幼少期にある、と知った人には、知っただけでお終いにせず、できることなら ひと頑張りして、やりたいことをやってなりたい自分になっていっていただきたい、というお話でした。