数年前から、いわゆる「年寄りの物忘れ」の域を超えている “忘れっぷり” を見せ始めてていた母。
昨秋、専門医に診せ介護申請をしたところ、「要介護1」の認定を受けました。
それまでは、日中、自宅でひとり、ぼーーっとテレビを眺めているばかりの生活をしていましたが、昨年末からデイサービスの利用を始めました。
利用者が「認知症の人のみ」という場所に通うということに、抵抗はないのか、楽しく過ごせるのか・・・と初めは少々案じていましたが、全く嫌がることなく通っていて、顔や全身に覇気が感じられるようになり、ほっとしていました。
ドクターが言っていた「身内ではない人との会話、交流によるストレスが必要なんですよ」は本当だったなぁ、と・・・。
施設のスタッフさんとは連絡帳でのやりとりをしているのですが、
何をして過ごしたか、どんな様子だったか・・・という報告を毎日いただきます。
お仕事とはいえ、細やかに親切にケアしてくださって、ほんとに頭が下がります。
昨日、ケアマネージャーさんが自宅へ来てくれたのですが(月イチの訪問日)、そこでちょっとビックリすることを聞かされました。
なんと母は、同じ利用者であり もともとのお稽古仲間であった女性と、スタッフさんが仲裁に苦労したレベル、他の利用者さんがドン引くレベルのケンカをした、というのです。
認知症が進むと感情のコントロールは難しくなるし、思い遣る…みたいなことも出来なくなってくるということは承知していたはずなのですが、「あの、大人しく内向的な母が、ケンカ?」と驚きました(たぶん派手に取っ組み合った…)。
母、”問題児” です
母から話を聴くと、初めは「忘れた」とトボケましたが、
「だってあの人、新入りの私に先輩風を吹かせる」 だの 「女王様気取りで頭に来る。支配しようとする」 だの 「でも周りの人とも陰で『あの人ちょっとイヤよね…』って話してる。だから嫌な人なのは ほんとのこと」 だのと言い出し…
やれやれ、まったく何をやってるのよ…と軽く頭痛がしました
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病気の進む速さは遅らせられても、もう治ってはいかない母の認知症。
ドクターが「お母さんはまだ “入口”。橋を渡り切っていないから、なるべく留まらせてあげてね」と言いましたが、
その、「認知症の入口」に立って、いろいろなことを考えさせられています。
娘としても、カウンセラーとしても、勉強になります。
少し前にTwitterを眺めていたら、ある介護士さんの
「もともとお人柄が好くて尊敬されていた人は、認知症になっていろいろ出来なくなったからって嫌わることはない。逆に、もともと未熟な人格の人が、認知症になってから好かれることもない」
というような言葉が目に留まりました。母のことを想ったので心に残ってます。
私の母は・・・いろいろ剥がれ、重石も除けられ・・・何が出て来るんだろう・・・
そんなことを考えながら、
通所にあたり通園カバンや上履きシューズを揃えてやったり、お迎えの車の時間までに支度をさせたり、連絡帳を書いたり…、20余年前に子どもたちが幼稚園に通っていた頃にしていたことを、いま83歳の母に、複雑な思いで しています
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