私には、母親として後悔していることがあります。
それは、二人の子供を、強い母性で守り過ぎた、ということです。
私は、気が利き過ぎ、手を回し過ぎ、何事も「やってあげ過ぎるお母さん」でした。
もともとの持って生まれた性質として「母性が強かった」ということがあったのに加えて、自身が「子供時代、くるまれなかった、理解されなかった、守られなかった」という自覚と、癒えていない傷や寂しさを抱えたまま子供を持ち、育児をしてしまったからです。
今思えば、もっと「この子の人生はこの子のもの」「失敗もこの子の大事なもの」という構えで、適当に関わってあげたかった。
過保護な関わりをしてしまったことで、娘も息も、大きな機会損失をしただろうと思います。
申し訳ない。
母性の発揮。
これは、一見悪くないことだし、実際、乳幼児のときに母性をもって養育されなかったら、人は生きていられませんから、母性は、子育てには必要不可欠な資質ではあります。でも、とかく人間のお母さんは、人間以外の動物が上手に子供と別れていくように、子供から離れていくことができません。過剰な母性でいつまでも子供にくっついています、少なくとも心理的には。
段階を踏んで徐々に子供を手放していかないと、子供のほうは、母親にくるまれたまま自立を阻まれ、いつまでも(20歳でも30歳でも、もしかしたら50歳でも・・・!)母と自分の人生を分離できない存在としてしか生きていない、ということになってしまうのに・・・
この過ちをどうして犯してしまうのかといったら・・・
いろいろありますが、原因として大きいのは、母親のほうが満たされない寂しい人生を送っているから、ということがあると思います。
自分の存在価値を子供の役に立つことで確かめ安心したい、ということもあるかもしれません。
子供がいてくれないと、困るわけです。
行き過ぎた世話焼き、過保護、過干渉・・・。これに心当たりがあるなら(子供・・・既に大人になっている子供・・・の自立に問題があると思うなら)、子の方でなく自分自身の関わり方、未完の問題に、手をつけることが必要かもしれません。
強過ぎる母性は、子供を飲み込んでしまいます。子供の自立を許しません。
飲み込むとか許さないとか、怖い表現ですが、私はすごく多いと感じています。
「子供の悩み」で来られる方のご相談の真の問題は、じつは「母性強過ぎ問題」であることが多いです。
上手に子離れできていない自覚のあるお母さん、遅いということはありませんから今からでも、ご自身の満たされなさ、ご自身の無価値観、ご自身の孤独に、丁寧に向き合ってみませんか?
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