恋人との関係でも夫婦関係でも、アンバランスをきたしてるな…、うまくいかないな…というとき、その二人がそれぞれ、どんな「自我状態」を出しているのか、どんな自我状態を受け取りたいのか、ということを考えてみるとよいことがあります。
「自我状態」…自分のあり方のことですが、「交流分析」という心理療法で用いる言葉です。
人には、「親」の部分、「大人」の部分、「子ども」の部分があります。
※男性にも女性にも、「男性性、女性性」「父性、母性」どちらも備わっていますが、ここでは単純に、
ある男性の「父親である部分」「男の部分」「子ども(少年)の部分」
ある女性の「母親である部分」「女の部分」「子ども(少女)の部分」
の、「やり取り」を考えてみます。
男性のほうが「大人の男の部分」を出し、女性のほうがそれを、「大人の女の部分」で受け取り、またその逆をやり…、と、大人同士のやり取りをしているのなら問題なしですね。
私の友人夫婦(同世代)は、子ども3人を育てて独立させた今も、二人は “男女として仲良し” でムード満点(笑)、互いの「男性の部分」「女性の部分」に永い恋をしているような、稀なケース。
「お父さん」「お母さん」なんて呼びませんよ、「〇〇子さん」「〇〇男さん」と呼び合っています。絶妙な距離感、深い絆。すごいと思います。
男性が「父親」のようで、女性が「娘」のよう…というパターン、あるいは、女性が「母親」役で、男性が「息子」みたい…という関係性というのもあるでしょう。
これも、ご当人同士が良いと感じているなら良いですね。
うちの両親はそんな感じだったかな。父親が “永遠の少年” で、母親が “世話焼きお母さん” で。
問題になるのは、たとえば…
・女性は彼氏と対等な関係でいたいのに、男性のほうは高圧的で自分を下に見てくる
・女性のほうは「少女」を出したい、可愛がってほしい、守ってほしい、と思うのに、男性のほうが頼りない、子どもっぽい
・男性のほうは、結婚して子どもが出来てからも、「男と女」でいたいのに、奥さんのほうが、すっかり “女の部分を捨て” いまや自分を子ども扱いしてくる “お母ちゃん” になってしまった
・男性がその女性に求めるものは、とにかく母親の部分で、彼女のお母さん的なところに惹かれ、甘えたい願望があるのに、彼女は「私はあなたのお母さんじゃない」と不満そうだ
みたいなケースでしょう。
求めるものを相手が出してくれない。
出したものを相手が受け取ってくれない。
という…
あなたはどの部分を出して交流する関係性を好みますか?
どんな存在にされることが多いでしょうか?
もし、どれかが酷く優勢だと、こんなはずじゃなかった恋愛になってしまう、とか、しっくり来る相手がいない、とか、そんなことになるのかもしれませんね。
ちなみに、「親の部分」ばっかり、「子どもの部分」ばっかり出している、という人は…
その裏にはたぶん、見て手当てをするとよい「過去」があります。
そういえば以前イチローさんが、奥様の弓子さんのことを、
ある時は妹のようだし、ある時は母親のようだし、もちろん恋人だし、古くからの親友のようでもあるし…
と言っていて、なるほどなぁと感心したことがありました。
いろんな面を持っていて、それを自在に出して関係を築いていける人というのはいいですね。チャーミング。
そういう人はきっと、豊かな人生を創っていけるのだと思います。
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