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カウンセリングでの会話と日常の会話は違う

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カウンセリングでの会話というのは、通常の社交の会話とは違います。

たとえば、日常の挨拶としてご近所さんに「息子さん最近お見かけしないけどお元気?」と尋ねて、「ええ、まぁ・・・」と返されたとします。
「ええ、まぁ・・・」と言った相手の顔がなんとなく引きつったとか曇ったとか目を逸らしたとか…そういうことがあったとしたら、それ以上訊くことはしません、言いたくない何かがあるのかな…と察してお終いにしますね、ふつうは。
「まさかニートになっちゃった?」「引きこもってるの?」などと言いません。

よほど親密な関係にある信頼できる人と腹を割った話をする・・・というのでない限り、大人は、心の距離に気をつけて、深入りしないよう、基本的には表面を撫でるくらいの感じ良さで、会話を軽く流すと思います。

でも、カウンセリングには、会話を通して問題を解決する、変化を起こす、という目的がありますから、そんな感じの良い表面的でスムーズなやりとりばかりを続けるわけにはいきません。

これはゆっくりと時間をかけた方がよさそうだ、相当、外側から上っ面から、慎重に慎重に核心に近づいて行かないと難しそうだ、という場合はもちろんあって、
そういうケースでは、先ずは私に安心して心を開いてみても大丈夫かな、と思ってもらうまでのところにかなりの時間をかけることもありますが…。

カウンセリングでは、「ふつう他人にそんなこと聞かないよね」という “聞きにくいこと” もお尋ねすることになります。
ですから、無理することは決してありませんが、がんばれそうだったら・・・その気になれたら・・・、どうぞ普通は人に言わないことも、表現できる形で、表現してみていただきたいと思います。

また、自分の心を覗いてみる・・・という習慣、経験が足りない方は、それをカウンセラーから促されてやってみようとすると、長い時間黙り込んでしまう・・・ということになることもあると思います。

そのことをどうか、気にしないでいただきたいです。存分にやっていただきたいです。
そういうこと(とても価値あることです)をしやすい場を作ることを私は心掛けていますので、どれだけ黙り込んでいただいても大丈夫です。

もう何分も黙ってらっしゃるな…というとき、私は苛立ってもいないし心配もしていません。
違う質問をさせてもらうこともありますが、「カウンセラーは少し離れた所で、泉の深いところから何が上がってくるかしら・・・と思いながら、ぶらぶらしている」というふうに思ってください。

そういうセッションは、テンポよく会話が弾んだ・・・というときよりも、後から大きな意味の出てくる、深い良い時間になることが、断然多いです。

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