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トラウマ後成長

テレビドラマで、思いやりに溢れる温かな親子関係、家族関係が描かれているのを見ると、
「私の親には、こんなところがまるで無かったなぁ」とか、「こんな人たちに育ててもらっていたらどうだったんだろう」とか、ちょっと思ったりすることがあります。
いま観ているものでいったら、『なつぞら』の 十勝の両親や泰樹おんじ とか、『監察医 朝顔』の朝顔先生のお父さんとか・・・。

でも、私は私のあの両親のもとに生まれてきて、そして、罵られたりぶん殴られたり、言うことを否定されたり嘆かれたり、ときには存在を無視されたり・・・
そういうのを人生の初期にどっぷり体験したから、いまの私があるわけで、やっぱり今回の人生は、テレビドラマで描かれるような幸せ家族じゃダメだったんだ・・・と思い直すのです。

「人は、人生の辛く苦しい体験から成長する」ということが明らかになっています。
PTG(Post Traumatic Growth、トラウマ後成長)と呼ばれ、心理学の研究も進んでいます。

人は、心に負った傷から回復すると、たとえば次のように変化する、という報告があります。

・自分にとって本当に大切なものは何なのかが分るようになる。
・当たり前だと思っていた毎日が貴重なギフトなのだと感じられ、感謝の気持ちで過ごすようになる。
・他者に対して共感的になる。
・身近な人との関係、縁をより大切にするようになり、愛情豊かな暮らしになる。
・心について、スピリチュアリティについて関心が深くなる。
・心理的に強くなり、自立する。
・「私」という存在を大切にし、本音で生きるようになる。

私の場合、トラウマがあったといってもそれは、酷い自然災害や大きな事故などという強烈な出来事によるものではなく、日常の中で繰り返される暴力で、命の危険を感じるほどのものではありませんでした。
暴力、暴言といっても、親はよかれと思って躾のためにやっていたり、考えも無しにやっていたり・・・、故意に傷つけようとしたわけではなかったでしょうし。

そういう人は、たくさんいると思いますが、これ、ボディーブローのように、低温やけどのように、後からじわじわ効いてくるものなので、それがトラウマだと認識されるのも、従って手当てをするのも、随分遅くなりますね。
それに気付けずに、自分の “なんとも言えない生きづらさ” に、長らく苦しんでいる人も多いと思います。

私の場合は、自身の辛い経験を、そのまま受け入れることを難しい、嫌だ、と思ったので、そこに対して、長い時間と大きなエネルギーを使って快復に取り組みましたが、そこから得たものや辿り着いた場所、境地を考えると、ああ、やっぱりあのプロセスは、あってよかった、逃げ回ったり誤魔化したりしなくてよかった、と思っています。

今回の人生では引き続き、このストーリーを生き切ることで成長していきたいと思います。
そしたら次回は、もう少し温かい楽しい場所で安心して育っていける所に生まれてみたいなぁとは正直思います(ああいうのがもう一回・・・はもうたくさん・・・笑)。

PTG。私たちは傷ついて癒されて、そして成長するようになっている、という話でした。

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