【お知らせ】欄にてご案内しておりますとおり、12月3日(火)~9日(月)はお休みをいただきます。
(お申込み、お問合せは休暇中も受け付けております。)
ご不便をおかけしますがよろしくお願いいたします。10日(火)より通常通り営業いたします。
私が通っている美容室は、以前通っていた大型店と違い、鏡が6面くらい、スタッフ総勢5名ほどの、小ぢんまりしたサロンです。
いつもは、指名しているスタイリストさんが全て(シャンプーも)やってくれることが多いのですが、一昨日行ったら混んでいて、シャンプーに入ってくれたのは、担当スタイリストでもアシスタントさんでもない、女性スタイリストさんでした。店内で見かける度に「すっとした、凛とした、静かだけど強いエネルギーをした女性だな」「所作が綺麗だな」と思っていた人でした。
シャンプー・ブースは半個室で少し暗め・・・、とても落ち着けるスペースになっていて、シャンプー台も、身体がフラットになる “夢シャン” なので、簡易ヘッドスパ込みでやってもらうシャンプーは本当に心地よく、15分ほどの時間ですが うとうとすることも。
でも一昨日は、初めて接した彼女だったので、ご挨拶後も会話をしながら施術してもらったんですね。
彼女は美容師になって20年近く経っている・・・というベテランさんだったことが判ったのですが、こんな話をしてくれました。
この店に来てまだ2年弱、それまでは大きな有名店で “すごく稼ぐ人気スタイリスト” で、シャンプーに入ることなどなく、アシスタントをビシビシ使ってた。
でも「大事なところだけ」やってあとはアシスタントに任せ、最後にチェックして終了・・・という仕事に納得がいかなくなり、最初から最後まで自分で出来る小さなお店で働きたいと思って、この店に来た。
だけど来てみたら、当然、自分の知らないルールや流儀が店にはあって、アシスタントのする仕事から長年遠ざかっていた自分には、その立場で気づいて動かなくてはいけないあれこれがまともに出来ないことを突き付けられて、ほんとに辛かった。
この仄暗いシャンプー・ブースで、何度か静かに泣いたこともある。悔しくて、情けなくて。
でも、それで辞めたくなったとかは無くて、また1から学ぼう、初心に帰って働こう、と思えることが嬉しかったし、以前のお店ではアシスタントたちには厳しく冷たかった自分だけど、これからはアシスタントの身になろう、丁寧に指導して大事に育てよう、と思えるようになったことに、とても感謝してる・・・。
なるほどなぁと思いました。
いつも、飲み物や雑誌を上げ下げするときも床を掃いて席を整えるときも動きに無駄がなく、かつ、ひとつひとつ心を込めて働いている人だなぁと思って見ていましたが、凛とした安定したオーラをしているのは、そういう過去があって、そういう心持ちで仕事をしているためだったのか・・・と感じ入りました。
私がお店を出るとき彼女は接客中でしたが、私と目が合ってニッコリお辞儀してくれた後、お客さんのお話を前かがみになって聴いていた横顔を見たら、「プロフェッショナル 仕事の流儀」のスガシカオさんの曲の前奏が、脳内でかかりました(笑)
もっとよくなりたい、成長したい、というプロ(特にベテラン)を見ると、私はすごく嬉しくなります。
自分で試練の場を用意して学び続けるベテランが放っているオーラは、特有の深い輝きをしていて綺麗です。
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