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「頼ってもらえない」と怒るけれど・・・

面談では、こんな嘆きや怒りを打ち明けられることがあります。
(※少し変えて紹介します。)

たとえば・・・
「息子が不登校になりかけている。学校まで車で送って行けば行ける日もあるけれど、休みがち。朝は起こしても起きられないと言い、やっと起きてもトイレに籠り、またベッドへ。もし学校でいじめられているとか何か辛いことがあるなら相談してほしいのに、何も話してくれない」

これは、「せっかく受験をして入った難関中学校なんだから、辞めずに通ってほしい」と思っているお母さんのお話。

またたとえば・・・
「夫が、私に相談もなく いきなり会社を辞めてしまった。小さい子どももいるし家のローンもあるというのに、勝手なことをして許せない。就職活動は始めてくれたけれど、私が様子を聞いたり助言をしたりしようとすると、そういうのは不要だと言って黙ってしまう。夫ひとりの話ではなく、夫婦のこと、家族のことなのに、酷いと思う。内緒で心療内科も受診していた。悩んでいるなら言ってくれればよかったのに・・・」

これは、お子さん(乳幼児)二人を「ほぼワンオペで」育ててきた、夫が家事・育児に非協力的で腹立たしい、と言っていた奥さん。

こういうお話もありました。
これまでずっと仲良くしてきたつもりの「親友」が、じつは大変なことが身に起きていたことを自分に隠していた、それどころか、別の人に相談していたと後で知ってすごく悲しかった、裏切られた気分だ、と。

 

こういうご相談はときどきありますが、お話を聴くとどうしても、
「相手に頼ってもらえないと言って嘆いたり怒ったりしているけれど、それは仕方がないんじゃないかな・・・」
と思ってしまいます。

学校へ行きたくない子どもは、学校へ行って欲しいと思っているお母さんに、本音は言えないでしょう。
言えないから子どもは身体症状で訴えたりするのですが、お母さんはこれも詐病扱いしたりする・・・。
子どもの方は、自分がいけないんだ、お母さんは悲しんでるって思うし、お母さんが自分の気持ちを理解して寄り添ってくれると思っていませんもの、相談してほしいと言ったって話しませんよね・・・。

“勝手に” 会社を辞めてしまったご主人に奥さんは、「いつも文句を言っていたし話を聴いてあげようとしていなかったし優しくしてこなかった」そうですから、ご主人は会社で何かあってそこを辞めたいとほんのり思ったところで、奥さんに打ち明けられなかったことでしょう。
だから退職を “相談もなく、いきなり” 告げることになったのは仕方がなかったかも・・・。

一大事に頼ってくれずに他の人に相談したという「親友」はどうでしょう。
それまでずっと仲良くしてきたと言うけれど、その人がそのお友だちに相談して助けてもらうことはあっても、そのお友だちにとってその人は、大変なことを信頼して相談する相手ではなかったのではないかしら・・・。

自分の大切な人がピンチなとき、誰かの力を必要としているというとき、「その人も辛いかもしれないけど私だって辛いです」みたいに、自分の気持ちの話になってしまうようなら・・・、”そういう自分” なのだから相談してもらえないのは仕方がない、と受け入れるしかないんですよね。
人って、自分の大変な話を、それを理解し受け止めてくれそうもない人には話しません。

そういう自分の “未熟さ” を認めることができて、それでも自分はその人の力になりたい、頼られる自分になりたい、と思えたなら、関係は新しくなっていくでしょう、自分の成長に伴って少しずつ。

大切な人が存在するおかげで、気づきや成長のチャンスを得られる・・・。
ありがたいこと、素敵なことだと思います。

「私は私の大切な人を、だいじにできてるかな・・・」って、たびたび胸に手を当てられるといいですね。
より強い人に、より優しい人に、なっていきたいですね。

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