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「変化することへの抵抗」は当たり前

カウンセリングを何度か続けていくと、心の古傷に向き合おうと決意したはずなのに その決意が鈍ったり、気に入らなくて変えたかったはずの問題を “さほど問題だと感じなくなってきました” “もういいです、今は十分幸せなんだから” などというふうに言い出して、見ていくことから逃げてしまったり・・・ということが、ままあります。

私たちには、自分の心の苦しみを麻痺させたり、無意識の領域へと抑圧したりすることで心を守る働き、防衛機制というものが備わっています。向き合えない、取り扱えそうもない、となったら、それからは逃げます、あるいは、無いことにします。この働きのおかげで、ものすごく辛いことがあっても、なんとか正常を保ちながら生きていくことができるわけです。

とはいえ、それは一時的な避難で、ほんとうの意味では解決できていないわけで、辛い思いや感情は、無意識の領域に抑圧され蓄積されたままです。残念ながら、いつの間にかなんとな~く消えているということはなくて、何かある度にそれは様々な形で出てきて、私たちの思考、感情、行動を振り回します。
私たちは、古傷の痛み(インナーチャイルドの暴動、悲嘆・・・と言うこともできます)に、人生を振り回されてしまうことにもなるのです。

だから、できることなら、今がタイミングかもしれない、と思えた時に、その長く抱えているはずの痛み、辛さには、本気で、根気よく、向き合って露わにし、優しく手当てをして、癒していってほしいと思います。
一人ではなかなか難しいことですから、そこは、カウンセラー、セラピストを、伴走者、サポーターとして側につけて、辛さも恥ずかしさも真っ黒な怒りもとめどなく湧く悲しみも・・・とにかく無条件にどんなものでも・・・一緒に見つけに行って救出してあげてください。

何が出て来るか、途中で不安に感じたり恐ろしくなって引き返してしまう・・・というのが冒頭に書いた逃避ですが、それでもいいんです。
どこか深い洞窟から出られなくなり救出を求めている人がいるとして、その遭難者が、全く地上から連絡を貰うことなく、ただ暗闇にいるのと、「今すぐは助けられないけど、準備が整い次第すぐに来るから、もう暫く頑張って待ってて!」と声を掛けてもらったのとでは、待てる時間が違うでしょう。

ゆっくりでもいい。何度引き返してもいい。何回戦かに分かれてもいい。
チャンスは何度でもやってきますから、その時は向き合って取り組んでみてほしいと思います。

癒されていない過去の痛みが(無視していたとしても)強ければ強いほど、自分のこれからの人生はそれに振り回されてしまい「人生は、ただ凌ぐもの」になってしまいます。そんなの、もったいないです。

 

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