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Tくんが12歳にして語ったこと

*「対面セッション休止」延長のお知らせ*
7月21日(水)より 銀座での対面セッションを休止してまいりましたが、新型コロナ感染症の流行の状況を考慮し、引き続き「対面セッションは休止」とさせていただきます。
当面はオンライン・セッションもしくはメール相談をご利用ください。
再開を決めました際にはまたお知らせいたします。ご不便をおかけしますが宜しくお願いいたします。
ご質問等ございましたら、お気軽にメールにてご連絡くださいませ。

メンタリストD氏のYouTubeでの発言の件、私は動画そのものは見ていませんが、ネットに上げられたものを文字で読み、それに対する様々な人たちの感想や意見も目にしました。
彼は多くのフォロワーを持ち、出版書籍も多数、いわゆるインフルエンサーなのですね。
私は彼のことはテレビで何度か見たことがあったくらいでしたが、滔々と何かを語っているときも、シュッとクールにキメてみせるときも、なぜか余裕は感じなかったし、どれだけ優越を見せていても、なんというか強烈な劣等感ゆえの攻撃性みたいなものを感じていたので、今回の発言や、彼は子どもの頃に辛い目に遭っていた悔しさから心理学を学び、辛い場所から「自力で這い上がってきた」 “成功者” なのだという誰かの文章を読んで、なるほどそういうわけだったのか…と納得しました。
でも、だとすると、彼が最初の発言後に述べた反省の弁も謝罪も、また今後はこれこれを勉強しますなどという宣言は、本物であるとは思えず(「わかっちゃいない」ということが却ってはっきりしてしまいましたね)、慌てずじっくりいくしかないよね、と思いました。
膨大な量の本を読む方だそうで利口な方なのだと思いますから、これまでとは違うやり方が必要になるはずですが、とりあえずここまでの頑張りは労った上で、仕切り直しをして、これまで知らなかった世界を体験してみるといいんじゃないかと…。
きっと、思い込んできたもの(鎧とか武器とか、不要になっているはずのもの)を外せれば、また別の豊かさを受け取れるのだろうけれど、どうでしょうね。

今回、生存権とか人権とか、社会の仕組み(制度の話)とかについて、解説している人の文章も幾つか読みました。
それらを読んでいて私は、その話、小学校6年生の時、担任のS先生と、クラスのリーダーTくんによる講義で、小学生なりにですが、みっちり教わったなぁ…と思い出しました。
(Tくんがどれだけ立派な小学生だったか、は、2月に書いていました。→★

6年6組のあのクラスには、いろいろと困ったことをしでかす子、家庭環境が劣悪過ぎることのせいでクラスメイトに何かと迷惑をかけてしまう子…というのが何人かいました。
あるとき、ある事件が起きたのですが、それは、家庭の経済的なことや民族差別のことを問題にした争いごとで、一部の子が、その “問題な子たち” のせいで自分たちは「不平等な目に遭っている」「損をしている」「存在が迷惑だ」などと不満を爆発させてしまった出来事だったので、なかなかおおごとになりました。傷つけた子たちがいて、傷つけられた子たちがいました。

その事件を収めた担任のS先生はその後、ひとつみんなに大事な話をしておきたい、と言って、ある日の午後の授業の時間をまるまる使って、「平等」のこと、基本的人権、生存権というもののこと、社会の仕組みついて、授業をしてくれたのですが、それは、小学生にとっては少し難しかったけれどとっても大事な、忘れちゃいけないことなんだということだけはきっと全員が思ったに違いない、素敵な授業でした。

その授業の中は、S先生が説明しては 我らがリーダー・Tくんが質問し、S先生がそれに答え…というふうに進んでいったのですが(Tくん以外は質問できる段階になかった…汗)、授業の終盤、Tくん、こんなことを言いました。私は忘れられません。

「一生懸命努力して成功する立派な人の命は尊くて、努力をしない怠け者に見える人は生きる価値がなくて助ける価値もなくて、だからそんな人の命はどうでもいい、なんてことは、絶対にないと思います」
「僕たちは、同じ相手から…とは限らないし、気づかないこともあるけど、誰もが 支え合って 助け合って 生きているんだと思います。そして、誰もが社会に守られていると思います」

痺れちゃうじゃないですか…、もう、格が違うと言いますか…。

で、その授業があった日の放課後、Tくんが声を掛けてくれて、みんなで校庭で遊んだんです。対立したり虐めたり虐められたりしていた子も、みんな一緒に。
なんだったか、みんなで手を繋いで輪になって、歌いながらグルグル回ったりする遊びでした。
クラスに起こっていたトラブルも、みんなで越えたような感じがあって、差別されていた子も、安堵してお腹から笑っているのが分かって、私は、今日の2時間の授業が、みんなに確かな変化をもたらしたんだなぁと感動していました、みんなと手を繋いでグルグル回りながら。
私はおマセでおセンチでしたから、自分も含まれているその夕暮れ時の光景が、すごく幸せで、涙がちろっと出て、今日の日のことをみんなが覚えているといいなぁと思ったんですよね。

子どもの頃に、大人からどう扱われるか、何を教わるか・・・。それがどれだけ重いかを、今でも度々思います。
教育は大事。精神的に “先を行く人” から温かい指導を受けることは幸せなこと。そう思います。

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