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3つの段階のどこで悩んでいるのか

もやもやとした悩みを抱えている、という方のお話を聴くときに私が意識していることのひとつに、
この方の問題が解けない理由が、
①認識すること、
②しっかり味わうこと、
③覚悟、決断をすること
のどこにあるか(何ができていないか)、ということです。

③の「覚悟、決断」は(そのことの解決そのものは容易ではないとしても)話は簡単です。
たとえば、仕事内容や社風が自分に合っていない会社に勤めている、という人が転職について悩んでいる、という話なら、「辞めて転職するために活動を開始する/あと1年我慢して勤めてみる」の2つの選択肢について検討をしていけばよいわけです。

②の「味わう」ということ。
これはたとえば、”友達からすごく傷つくことを言われた” としましょう。そのときに「そんな言い方は酷いじゃないか!」「あなたからそんなことを言われて私は悲しい」と言えれば、あるいは、相手に伝えられないとしても、あんなことを言われて悲しかった…と泣いたり、あれは許せない、怒っていいことなんだ、と思って発散したりできればいいわけです。
それができれば(自分の中に発生した感情を、しっかり体験すること、味わい尽くすことができれば)悩みはほどけていきます。独りでは難しくても、親身になってくれる友人や我々カウンセラーやセラピストが寄り添ってくれたら、それは解決に向かうと思います。

さて、じつは最も大変なのは、①の「認識する」という段階ができていない場合です。
認識しているから悩んでいるんじゃないか、と思われるかもしれませんが、意外と人は、問題を正しく捉えることができず、勘違いや誤魔化しをしているものなのです。
“違うこと” を問題にして 本当の問題、取り組むべき問題を問題にしていなかったら、いつまでも悩みは解けないはずですよね。
これはたとえば、本当はもう愛せなくなってしまった相手との結婚生活を終えたいと思っているのに、それを自分が認められない(気持ちを上手に抑圧してしまっている)ときや、
本当は自分が取り返しのつかないような悪いことを誰かにしたと思っているのに、その罪悪感を感じることができなくて、その代わりに、その罪悪感を〈投影〉しやすい誰かに、似た問題を肩代わりさせているときなどです。
いずれも、自分の中にある感情に向き合うことができない場合です、恐ろしすぎるからです。

この、「問題を正しく認識する」というのは、場合によってはものすごく難しいです。自分に対してどれだけ心を開けるか、勇気をもって、大人として、どれだけ自分に愛を注いで育てていけるか、ということでもあります。

いずれにしても「問題」というのは、自分を磨き、高めて、成長させてくれる、ありがたいものです。
そのように思って、逃げず惚けず、ひとつひとつに向き合って解決していけたら・・・と思います。
縁のあったお客様がそんなお話を持ってこられたら、どんなものでも大事に取り扱って援助させていただきたい、と いつも思っています。

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