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「世の中にはもっと大変な人がいる」という言葉

客観的に見て 大変そうだな…と思える人ほど、「世の中には自分なんかより大変な人がいる」と言います。
そのように思って自分に厳しくあたったり自分を戒めて頑張ろうとするから、より大変になり、事態を解決することが難しくなってしまうのですが・・・。

この「世の中には自分より大変な人がいる」「自分の苦しみなんて大したことがない(のに辛がっている自分はだめだ)」「自分は甘えている。弱い人間だ」という思いグセ。
これは、いつ頃から思い込むものなのだろう…と思います。まだ子どもだった頃、親とか先生とか周りの大人が、繰り返しそう教えたんでしょうか…。もっと強くならなきゃと思った自分が、どこかで聞いたそんな言葉を採用して、以来使ってきたんでしょうか…。

私は、この言葉をお客様から聞いた時は、そのように思わないでくださいね、とお話しします。
あなたの辛さは あなたのもので、他所の知らない人のそれと比較する意味は全くありません。
また、そんなふうに自分の大変さを否定してしまうとき、あなたの中でせっかく こわごわと上げられた〈声〉は 蔑ろにされ 隅へやられ、無かったことにされてしまいます。あなたがあなた自身の辛さを ありのままに捉えて尊重しなかったら、解決に向かうことがありません。
そのことを 丁寧にお話しします。

それから、困っている人、弱っている人に、それを言ってしまう人にも、それは言わないでほしいなぁと思います。
その人に元気になってほしくて、励ましたくて、言うのかもしれませんが、そんな乱暴な言葉はない、と思います。
おまえの辛さなんて、どこかの誰かのそれと比べたら大したことはないんだぞ、などと言うことに、どういう効果、何の意味があるんでしょう。

「世の中にはもっと大変な人がいるんだ」というのは、自分が元気でパワーに溢れていて「よし!頑張るぞ!」というとき限定で、自分に対してのみ、使う言葉だと 私は思います。

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