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彼女の生き方

20年の付き合いになるMちゃんという友人(元ママ友)。
もともと頻繁に会うことはない友だちではありましたが、今年は特に、互いに慌ただしくしていたこともあり、春に会ったきりになっていました。

が、このところ何故か、彼女が頭をよぎることが何度かあったので連絡してみたんですね、元気にしてる?一杯やりませんか?と。

そうしたら、いつものようには直ぐに返事がなく、数日してから受け取った返信にはこんなことが書かれていました。

じつは先週退院して来たところなんだけど、体調が優れず寝てばかりなので返事が遅れてごめんなさい。
大腸がん が判って手術をしたの。また来月入院します。

驚いて返信すると、
かなり辛くて体重は35キロもない、告知を受けるのも入退院も、全て一人でやった、と言います。
私からの、何かできることをしたいから連絡するように、という連絡にはとても感動してしまった、そんなことを言ってくれる人は自分には一人もいないと思ってたから、とありました。

ああ・・・
これなんだ。いまだにこういうふうなんだ、この人は。
そう思いました。

このMちゃんはシングルマザーとして一人息子を育ててきましたが、その息子はもう家を出ていて遠くにおり、彼女は一人暮らしです。
彼女はいわゆる「カルト2世」でもあり、原家族の誰とも縁がほぼ切れていて、とても苦労して生きてきました。自称「立派なAC(アダルトチルドレン)」。遠慮深く、自己評価がとっても低く、自尊心も ほぼ見当たらない(!)という人で、すみません、すみません、というふうに生きてきました。

大概の人とは上手につきあえなかった彼女でしたが、私にだけは比較的心を開いて、たくさんの話をしてくれていて、私にとっても、そんなにはいない “長くつきあっている気の合う友人” のひとりでした。
Mちゃんは私から「そんな酷い言い方を自分にしちゃダメよー」「今の100倍あつかましくても、誰も図々しいとは思わないよ?」「もっと幸せになろうよ」としつこく言われてきたことで、もしかしたら地球上には自分にも安心な居場所があるのかもしれないと、ほんの少しずつだけど思えるようになってきた、そう言っていましたが・・・

でも今回、そんな大変なことになっていたというのに、誰にも助けを求めず、私にも、思い出しはしたけれど悪いなぁと思ってしまって連絡できなかったそうで、とにかく一人で、なんとかしよう、今回はなんとかならないかもしれないけど、まぁいいや・・・と、弱々しく控えめな対処に甘んじているうちに、こんなことになってしまった・・・。

私は、いま思えば彼女を思い出してはなんとなくザワザワしていたわけですから、それなのに連絡しなかった自分、そんなだから頼ってもらえなかった自分が、情けなく悲しくて仕方がありませんでした。

でも一方では、具合の悪さをギリギリまで隠そうとするという動物たち(我が家の飼い犬、飼い猫もそうでしたが…)を思い出したりもしたし、既にズタズタにされて傷だらけで生きてきた彼女が、これ以上、私を含めた誰か他人の対応によって、さらにがっかりしたり悲しくなったり寂しくなったりすることなく、とにかく一人で始末をつけようとしたことは、理解し尊重したいとも思いました。これは彼女の生き方だよな…と。

しかし依然病気は治療中。
病気は “お知らせ” であり、何かに気づいたり新しくなったりするチャンスでもあるはずなのだから、彼女には諦めてしまうことなく治癒に努めてほしい。
なので、ここは私、せめて今からでも、少し強めに熱めに、介入させてもらおうと思っています。

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