前回、「あなたを大切にしない人からは離れましょう」「あなたを大切にしてくれる人を大切にしましょう」と書きましたが、それって難しい、というお話を何人かの方からお聞きしました。
まず、「交際相手とか友だちだったらまだしも、親きょうだいでは相当の覚悟を持たないと離れられない」というお話。
確かに、親きょうだいとの関わりが大事なテーマである人は少なくないです。”積年の” 思いを屈折させ抑圧させ、抱え持っているわけです。
でもこれは、相手が自分を大切にしないからもう縁を切ります、ということにしても、その問題には一度はちゃんと取り組んでみないと、表面的に絶縁しましたと言っても、そうはいかないことが多くて、お終いになっていないものをお終いなんですと “言い張っている” だけなので、いずれ向き合わざるを得ないものです、大抵。
そうじゃないと、親きょうだい以外の人間関係に、それらは投影され、おそらく「いつもこのパターンだ」ということになります。
それから、「自分を大切にしてくれる人なんてこの世にいないから、誰もいないよりマシと思って、自分をぞんざいに扱う人とでもつきあうしかない」というお話がありました。
こちらは、無意識に、固く、「自分は誰からも大切にされない」「自分は誰からも愛されない」と自分に呪いをかけているケースが多いです。
大事にされたい、愛されたいのに、そんなことをするはずがない、と思われるかもしれませんが、これは本当です。
人って、慣れ親しんだ状態(それが悲惨なものであっても)を維持してしまうところがあるのです。親から大切にしてもらえなかった、という人は、他人との関係でも、つい、大切にしてもらえない体験を選ぶんですよね。
なぜか。・・・安心が一番大事だからです。慣れていない “愛されている状態” なんて、考えただけでも恐ろしいから、自分を粗末にしてくるような人に尽くして報われない体験をする方へ、自分を連れて行ってしまうんです。ぎりぎり「誰かに求められている自分」でいることで、自分の価値を見失わずに済んでいるのですね、哀しいことですが。
二つのお話、どちらも、まずは自分のそういうパターンに気づいて認めてあげるところからです。
目の前にある人間関係を今すぐ問答無用に切ろうとすることはなくて、「自覚的であること」を心掛けていられればよいと思います。
雑なことせず、「あぁ自分はこういう人に弱いんだなぁ」「どうして自分はこの人の言いなりになってしまうんだろう」「この人からまだ貰えるはずだ、貰いたい、と思っているものがあるんじゃないか」・・・と丁寧に根気よく、自問自答をしてみてください。
自分の怖いもの、自分が悲しいと感じるもの、どうしても手放せずにいる重い感情・・・、そういうものを見つけてあげてください。
そうしていくことが自分を大切にすることですし、そういうことが出来るようになると必ず、周りには必ず、あなたを大事にする人がいることに気づけるようになります。
自分を大切にできない人が他人から大切にされる…という話は、やっぱり、無いのです。
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