TBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』第1話が放送されました。
「逃げ恥」「アンナチュラル」「MIU404」、そして大ヒット中の映画「ラストマイル」。それらを作り出してきた野木亜紀子さん、塚原あゆ子さん、新井順子さんの最強トリオらの作品というのでとても楽しみにしていました。
舞台のひとつになっている長崎の端島(通称:軍艦島)は、かつて石炭産業で栄え、昭和49年に閉山されるまで、一時は5,000人超が住み、世界一の人口密度だったという半人工島です。
私は、息子が長崎に居た頃に一度、この軍艦島への上陸ツアーに参加したことがあります。船で向かい上陸するまでに、ツアーガイドさんが、日本初の高層RC造アパートで、日本一のテレビ普及率で、小さな島には火葬場以外なんでもあり、炭鉱で働く人のお給料はとても高く・・・、という内容の説明をしてくれたのですが、私、軍艦島が見えたあたりから “異変” が起き始め、いざ上陸してからは、当時の島に暮らす人々の様子が どどどどっと心に流れ込んでき、ある場所で起こる、強烈なチューニング…というんでしょうか…、ちょっとクラクラと眩暈がして座り込んだことを思い出しました。
栄えた町と廃墟の落差です。「廃墟マニア」という人がいるそうですが、私は、よほど体調を整えしっかりさせて行かないと、ちょっと無理・・・と思ったものでした。
ドラマでは、CGとよくできたセットを使って当時の端島を見せてくれていますが、それは、私が ツアー中に眩暈で座り込んだときに脳内に映し出された映像とピタッと重なって、「あーこれこれ!」「すごいなぁ」と思いました。
私が2018年に軍艦島ツアーで 上陸・見学したときに撮影した端島の廃墟
1955年の端島に生きる若者を演じる神木隆之介さんが主人公ですが、ドラマのもうひとつの舞台、2018年の東京に生きるホストも、一人二役で神木さんが演じています。
神木さんはじめ、出演されている俳優さんたち皆さんが素晴らしいことも、映像も音楽も、なんと贅沢、大河ドラマのようだ、いや映画のようだ、と思ったところです。とにかく圧倒されました。
1955年の長崎・端島と、2018年の東京。若者が希望をもって強かに生きた時代と、希望を持ちにくく無気力になりそうな今。このドラマは、「愛と友情と家族の物語」と銘打たれていますが、ミステリーなところもあり、お仕事ドラマでもあり、社会派ドラマでもありそうです。
きっとこのドラマは、70年を行き来しながら観る者に問いかけてくることでしょう。「人生で、本気で逆らってみたことある?」「人生を、変えたくないか?」「ここから、変えたくないか?」
そして、どうしようもない大きな流れに逆らって、ときには強い敵に抗って、でも、己の「根っこ」によって生きていく・・・そういう人々を描くことで 希望を見せてくれる・・・そういう作品になっていく気がしています。
根っこといえば、テーマ曲は KingGnu の「ねっこ」という曲です。よい。
「海に眠るダイヤモンド」は、石炭のほかにどんな意味があるのでしょう。
失われることなくそこに在る、在った、と知ることになる宝物、大切な思い出・・・
そういうもののことを言っているんでしょうか・・・。
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