朝ドラ『あんぱん』。今週は のぶ と 嵩 の高等学校受験が描かれました。
嵩の父は亡くなっていますが、母親はというと、幼かった弟に続いて自分のことも伯父夫婦に預けて出ていき再婚、遠路ひとりで会いに来た嵩を「親戚の子」「もう来てはいけない」と拒絶して追い返し、8年も音沙汰無しであったのに、離縁されると再び、嵩らを預けていた義兄夫婦の家にヌケヌケと戻ってきて・・・という酷いお母さん。
でも嵩は、弟と違って母親のことを憎むことをせず、母親の高知の最難関校を出て医者になってほしいという勝手な願いに、応えようとするんですよね。最近笑顔のない母さんを笑顔にしたい、母さんを喜ばせたい、と・・・。
入試の結果は不合格でしたが、もう一年浪人して頑張るという嵩に、なんと母親は、1年も待てない、もういい、好きにしなさい。じゃあね、ごきげんよう、さよなら。そう言って去っていってしまうのでした。すごいな・・・。
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今朝、そのシーンを見ていて、私自身の親とのあれこれを思い出しました。
私の亡き父親はバレーボールの指導者だったのですが、私をバレーボールの強豪校へ進学させる話を勝手に取り付けてきて、それに反発、拒絶して普通に受験して受かった私を認めず、以後何年も口をきいてくれず・・・ということがありました。母親も一切、味方をしてくれることがなかったので、あの時期はほんとに孤独でしたし辛かったですね。
小学5年生からずっとバレーボール・・・。親が喜ぶんだろうな、家庭も明るくなるかもしれないな、と考えて始めたバレーボールだったのですが、県大会で優勝するような強いチームのある中学校に越境入学させられ、年休2日の厳しい練習に耐えた日々でした。でも、高校で続けるのはもう嫌だ、好きにしたい、と思い、父の用意した進路を拒絶したんですね。
今思えば当たり前なのですが、当時は「両親を失望させた」「そのせいで父は大病をした。命を縮めた」という強い罪悪感に、相当苦しむことになりました。
『あんぱん』の嵩少年のように、「自分は独りだなぁ」「寂しいなぁ」「自分は何をしたくて生まれてきたのかなぁ…」と、すっかり見失ってしまい、自分の存在価値の無さが辛くて、自分のことを見捨てかけた時期でした。
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子どもはね、とにかく親を喜ばせたいものなんです。
愛情に飢えている子ほど、喜んでほしくて頑張ってしまう。
そして、そうしているうちに、自分の好きなこと、自分がやりたいことを見失ったりする・・・。
これ、私はよく知っている・・・。
嵩には、絵があるんだな。
嵩には、絵を描くのが好きだということを否定せず尊重してくれた伯父さんがいたんだな。
よかったなぁ・・・
そんなことを思って なぜか私が救われた気持ちになった今日の放送でした。

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