その人と会って話すと、いつもぐったりと疲れてしまうのです、というお話を、ときどきお聞きします。
「エナジーヴァンパイア」という言い方がありますが、その人はそれなのでしょう。
エナジーヴァンパイアというのは、他人のエネルギーを “吸血鬼のように” 吸い取ってしまい、相手を消耗させ疲弊させてしまう人のことを言います。
愚痴や不満、自慢話が多い、自己チューで自分勝手、人の意見を否定する、ネガティブな考え方をする、共感能力が低い・・・、そんな人です。孤独な人でもあります。
まぁ、そういいう人はそうそう変わりませんから、親切な心や優しさを差し出しても、”吸われるだけ吸われて” 疲れさせられるだけですから、なんとか距離を取って身を守るしかないでしょう。
身を守りつつ、共感しすぎる自分、自分の感情をコントロールできない自分、自分を大切にできていない自分・・・を自覚して、とにかく心の平和と幸せを、堂々と、譲らず一番大事なものとしていくことでしょうね。
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最近 最終回を迎えた『しあわせは食べて寝て待て』というNHKのドラマがありました。
そのドラマの主人公の さとこ(演:桜井ユキさん)は元キャリアウーマンでしたが、”一生付き合っていかなくてはならない” 病気が見つかって、健康な体を失い仕事を失い住まいを失って、「週4日のパートの仕事」を得て「築45年で家賃5万円の団地」に越してきて、質素な暮らしを始めるんですね。
そこで、ゆるく繋がり合って暮らしているご近所さんや、薬膳というものに出会って、少しずつ元気を取り戻していくお話でした。いいドラマでした。
その最終回、さとこ は大学時代の友人から、こんなLINEを受け取ります。
いま何してる?、久々に電話していい?、実は話したいことがある。ダンナといろいろあってモヤモヤしてる。私は さとこに話を聞いてもらうと元気になるのだ、と。
それに対してさとこは、意を決したようにこう返事をするんですよね。
「ごめん。水曜日は体を休めるために休みをもらってるんだ。だから電話もしたくないんです。本当にごめんね」
イヤだなと思ったら普通に断れる人は、こういう友達(エナジーヴァンパイアと言っていい人)からの連絡はそもそも受け取らないものですが、きっと さとこは、これまでずっと、他人の都合に振り回され、不満や愚痴をいっぱい聞いてあげて “吸い取られ” 、くたくたになっていたことと思います。
そんな さとこ が「電話もしたくない」なんていう返事ができたというのはすごい変化。
さとこは、その友人の愚痴聞きを断る返信をして、「私はやっと自分を大切にできるようになった」のだと気づき、「やれるだけ やったから、これでいい」と言えるようになりました。
団地に住み薬膳を知り週4の仕事で、温かい人たちに囲まれながら、ゆっくり着々と元気を取り戻すにつれ、自分を大切にする、ということが実践できるようになったのだろうと思います。
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エナジーヴァンパイアに吸い取られ奪われ疲れてしまっている・・・という人にはぜひ、
何よりも自分の心身の喜ぶことをして、自分の幸せを追い求めていってほしいと思います。

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