人は傷つきから成長することができる_PTG(トラウマ後成長)

PTG(心的外傷後成長。Post Traumatic Growth)。
トラウマティックな、つらく苦しい出来事を経験した後に、人間としてのこころの成長を遂げる現象を言います。
つらい体験からその意味を見出そうとしたり、何かを学ぼうとしたりするなかで生じると考えられています。

 

PTGをもたらす因子、領域として、次のようなものがあります。

●他者との関係の変化
危機を経験した結果、他者との関係がより親密になったり、他者を思いやる気持ちが強くなったりすることがあります。特に、自分と同じような危機を経験した人に対して、同情や深い慈愛の念を持つようになるなど仲間意識が生じることは、よくあることかと思います。

●人としての強さを実感する
困難な状況に向き合って乗り越えることができたときに「自分は最悪な状況を生き抜いた」「自分は強い」そう感じることができるようになります。「どん底を経験した人の強さ」です。

●新たな可能性を見出す
大きな危機を経験したことによって、新たなことに興味を持ったり、新たな活動、仕事に取り組むことになったりすることがあります。それまで描いていた人生の道とは違う方向性を余儀なくされるがゆえに、新しい可能性が開けていく、ということです。

●スピリチュアルな変容
危機を経験することによって、自分の人生の目的や生きる意味を考えるようになった、と語る人もいます。なぜ自分はこんなつらい経験をしなければならなかったのか、なぜ自分でなければならなかったのだろう、と自問自答をして苦しむうちに、自ら見出した答えによって自分の人生に納得し満足する、という精神的な成長を遂げる、というものです。信仰というものを考えるようになることもあります。生き方について、魂の行方についてなど、それまで考えたことがなかった事柄について、思いを巡らせたり追求していったりすることもあるでしょう。

●人生に対する感謝
トラウマ体験を経験して乗り越えることによって、今までの人生や自分自身がもともと持っているものに対して、新たな気づきと深い感謝の念が生じることがあります。また、自分の人生において何が最も重要なんだろう、というような価値観にも変化を生じることもあるでしょう。

 

PTG。人は傷つきから成長することができる。
この言葉を私は信じています。
傷つきを体験するのはつらいことですが、でも、その経験から逃げずにもがいたり苦しんだりする中で、他者との結びつきに変化を起こし、人生の意味を捉え直し、人として成長していける・・・という考えには、大いに勇気を貰えます。

苦しみの記憶は消せないかもしれないし、深い絶望は人から理解されないかもしれません。
けれども、そのつらさを自分のものとして抱えて先へ進もうとした人には必ず、予想した以上の成長がもたらされるものだということを忘れずに、今を生きていただけたら・・・と思います。