人を頼れるようになること

本当はいっぱいいっぱいなのに、大丈夫?と訊かれると大丈夫ですと言ってしまう。
人を頼るのが苦手。
助けてほしいなんて言ったことがない。言えない・・・。

もう限界だ…というところでご相談に来られる方が、ときどきいらっしゃいます。

人を頼れない、助けてと言えない、という人は、周囲からは、しっかりしていて有能だ、と思われがちです。窮状を悟られないよう隠しているからです。
でも、バレていることもあって、プライドの高い人だ、頑固者だ、素直じゃないなんて思われていることもあるかもしれません。

だけど本当のところは、”プライドが高い” んじゃなく、逆で、「私なんかのために申し訳ない」「迷惑かけるなんてできない」と思っていたりします。これはおそらく、幼少期に身に着けてしまったものでしょう。親に叱られたくない、がっかりされたくない、褒められたい・・・、そんなことを考えて頑張ってきた人だと思います。

私も若い頃はそうでした。「人を頼りにすること」は「人に迷惑をかけること」でしかないと思ってました。だからいつも、結構抱え込んで大変なことになっていました。

でも、あるとき気づいたんですね。
あれ? 人ってみんな、知らないところで誰かに助けられてるよね。じつは自分ひとりでやれてることなんて無いじゃない? 自分は人から頼りにされたり助けてと言われたりして嫌だとか迷惑だとか思わないんだから、自分も、あえて誰かに(余裕のある気の好い人がいたら)助けてもらえばいいじゃない?・・・と。

そんなふうに考えられたら、急にはできないかもしれませんが少しずつ、誰かを頼ってみる練習、助けてくださいと言う練習を、してみてほしいと思います。

そういうことが板につく頃にはきっと、あなたの居る場所は、誠実さとか信頼とか思い遣りとか感謝とか・・・そういうものが満ちている、温かくて楽ちんな世界に変わっていると思います。

怖さを乗り越えて 人を頼れるようになることって、そう、「成長」なのです。