10日ぶりの母(90歳、認知症、要介護3)

昨晩、母が長めのショートステイ(10泊)から帰ってきました。
毎回、ショートステイから戻ってきた母は、元気になっています。
なんというか、有能感みたいなものを漂わせていて、シャッキリ。
いつもはどんよりとしているのが、シャッキリ。

スタッフさんが記録してくれるレポートを読むと、
「率先してお手伝いをしてくださるので助かります」
「介護度の高い方の面倒を見ようとなさいます」
などとあり、”誰かのためになる仕事” をさせてもらえることの有難さを想います。
もちろんそれは、”子どものお手伝い” でしかないはずなので、かえって手間を増やしていることも多いんでしょうから、よく面倒を見てくださっている施設のスタッフさんに感謝感謝です。

母は、施設通いは「出勤」だと思っているようだということをスタッフさんに伝えたら、「そういう方は少なくないですよ」とのこと。
銀行の役員をしていたという認知症の男性利用者さんに「財務状況が気になるので、帳簿を見せなさい」と言われた、という話も聞きました(苦笑)

母は、たくさんの方とおしゃべりを楽しんでいるようなので(会話にはなっていない、一方的なエンドレス昔話のようですが)、そうやって話をしたり、”仕事” を任せてもらったりする毎日を過ごすことで(今回は10日間)、元気になって帰ってくるんでしょう。

でも帰宅した母が そんな “元気な母” でいる時間はそうそう続かなくて、1時間もすると、魔法が解けるように、いつもの ぼんやりどんよりな母に戻ります。

そしてまた、あっと驚くことをしてみせては、私に叱られる・・・
私も、やめておけばよいのに「カンベンしてよぉ~・・・泣」と言ってしまう・・・

昨晩は、風呂から上がった後、外出着とコートを着て布団に入ろうとしていたのですが、
「パジャマに着替えて寝ようね」と言うとパジャマを途中まで着るんだけど、それをまた脱いでしまい、外出着を着る・・・というのを3回 繰り返し、4周目に入ったところで、私がうぅぅぅっ・・・!と軽くキレてしまった。
黙って着替えさせて優しく寝かせてやり灯りを消せばいいんでしょうけど、無理だなぁ・・・

しかしつくづく、母には「今」しかないのだな、と思います。
なんにも引きずらない(憶えていないので、”引きずれない”)。
“おっかない私” から叱られたってことをまったく覚えていなくて、あどけない顔をしている。
ずっこけちゃう。
なんにも、なーーんにも、憶えていなくて。

“物忘れ” と違う、立派な記憶障害。
記憶の働き(記銘・保持・想起)の、そもそもの「記銘」のところの機能が失われてしまったんだということがよく判ります。

面白いものだなぁと感心してしまったりもします。
面白がっている場合じゃないんだけど、「ふざけてんの?」と つい怒ってしまうこともあるんだけど(ふざけてないこと分かってるのにごめんよ)、母は ほんとに見事に覚えていないから。

また今朝は、湯飲み茶わんを覗いたときに「変な色の濁ったお茶」が見えたので、なんだろうと思って急須を確認しに行ったら、
なんと、茶葉ではなくてフリーズドライの味噌汁が入ってました。ふやけた白菜と油揚げが・・・。
何も贅沢はしないけど 緑茶にだけはこだわりがあって、少し高価な美味しい茶葉を買って飲んでいた母なんだけどな・・・。

すごいスピードでいろいろなことが分からなくなってきてることを実感させてくれた、10日ぶりの母です。