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「許せない人がいる」

「どうしても許せない人がいる」と言うと、カウンセリングやセラピーの場では、とかく、許すほう、忘れるほうへ、促されることが多いようです。お客様からときどき聞きます。
許さずにいることであなた自身の心に幸せの入って来るスペースがなくなるから、とか、あなた自身のために忘れたほうがいい、とか、そんな言われ方をする・・・、でも、なんだかしっくりこない、受け入れがたい・・・わけです。

私も、”自分のために相手を許そう” ということには、きほん賛成です。
でも、許した方がいいから許しましょう、と言われても、「許せないと感じている私」を置き去りにして、無視をして、許すと決めたって、そうはいかないよね、と思います。許せないと感じていることを大事に扱わなくては・・・と。
だから、その許せないと思う内容をとことんお聞きするし、たいてい大いに共感するし、ときにはご本人に代わって強く怒ります。その許せなさ、怒りや悔しさや悲しみを、ちゃんと心の外へ取り出してもらいたいからです。

ネガティブな感情を抱いて苦しんでいる自分を、とにかく独りにしない、味方でいてあげる、ということが大事です。”許せない自分” に批判的にならないこと。結構みなさん、ご自分に雑だし冷たいですが・・・。

かといって、許せない相手に、酷い仕打ちの「仕返し」をするのはお勧めしません。
無神経だったり横暴だったり自分とは違う常識をもって生きている人に、おそらくその「仕返し」は効き目がないし、あったとしても、相手を傷付け返したあなたは、きっと清々しくない、ハッピーにはなれないからです。

だから、許せない相手のことは、もういいかな、もうどうでもよくなった、というところまでもっていけたら、心の中で しっかりと境界線を引いて距離を置くことで、お終いにすることを目指してほしいと思います。

それから・・・
そんなに人の好いことを考えなくても・・・と思うのですが、「今回のことでは許せないと思ったけれど、根っからの悪人というわけではない相手のこと、信じてみたいと思います」などと言い出す人がいます。
でもそれ、しなくてもいいかな、と思います。たとえばその相手はあなたを「ナメていた」「騙した」「裏切った」のだとすると、その人、そんなに簡単に変わらないからです。

許せない相手は「許せなかった」「もう関わらない」でOKでしょう。
あなたに酷いことをした相手を “信じてみる” よりも、その相手を許せずに見切りをつけた自分の感覚や気持ちを尊重する、信じる、と言うことの方がよほど大事です。

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