BLOG

エンプティチェア(空椅子の技法)

ここ数か月、「エンプティチェア(空椅子の技法」のご依頼をいくつもいただいています。
じつはご新規のお客様が私の相談室を見つけてくださるきっかけになったとおっしゃる “検索ワード” が「エンプティチェア」だった・・・というケースは、開業以来 最多のひとつなのですが、このところ、お申込みが続きました。

(※エンプティチェアの過去記事へのリンクは下に貼っておきますので、ご興味のある方はお読みになってみてください。)

エンプティチェア・テクニックでは、ご本人が葛藤している課題や人間関係、あるいは否定的な関係に陥ってしまった人物を、自分の座る椅子の向かい側に置く「空の椅子」に座らせて、実際にその相手がそこに座っているように話しかけます。

ある方は「腹の立つ上司」を、ある方は「絶縁した親」を、またある方は「凝りの酷い自分の肩」を、空椅子に座らせて語り掛けます。
みなさん、初めは戸惑いながら…ですが、何往復かして慣れてくると、空椅子に座らせるその人物は、私(ファシリテーター役)から見ていても、じつに生き生きと、本当に存在しているように “見える” ものです。

そのやりとりの中には必ず、その方の「気づき」が生まれるわけなのですが、それは、エンプティチェアの創始者パールズ(Frederick S Pearls 1893~1970)が「Little SATORI」と呼んだ体験です(パールズは私が生まれた1962年、日本を訪れ滞在し、寺で「座禅」の体験をしているんですね、それで SATORI(悟り)と・・・)。
ほんとに、思ってもみなかったものがポンッと出てきたりするのですが、私はその度に感動します。

エンプティチェアは「ゲシュタルト療法」のなかの技法ですが、「ゲシュタルト」というのはドイツ語で全体性、パターン(形)、あるいはバラバラに存在するものがひとつにまとまっていく機能…というような意味です。
みなさんそれぞれの「気づき」「Little SATORI」が、2脚の椅子を行き来しながらのやりとりのなかに生まれ、それ(それまでは沈めてあったので気づけなかったものです)がその方に《統合》されていく過程であるわけなのですね。

もちろん、そういう重く大きなピースを拾うというのではなく、日常のちょっと困った習慣を改善する、ということにも、エンプティチェアを使われる方はいらっしゃいます。
上に書いた「凝りの酷い肩」の言い分を聞いてみた・・・という方も、我がことながらちょっと驚いたという内容を “肩さん” から聞かされて(「苦情」ですね笑)、「今日から改善に努めます!」ということになりました。

「腹の立つ上司」「絶縁した親」「凝りの酷い肩」・・・自分の心身を不快にさせたり苦しめたりしているそれらの「言い分」も「解決の手立て」も全て、じつは自分が持っている、自分が持っているものだから自分が理解して解決することができる・・・、そういうことなのですね。

本当に「全ては自分のなかにある」ことを思い知らせてくれる、優しくて強力な技法、エンプティチェアです。

 

【ご参考】過去記事
◆「エンプティチェア」は すごい。お勧めします!(2014.01.28)
◆「エンプティチェアの効果」【お客様のおたより】(2020.11.12)

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP