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「12年という時間が鈴芽自身を救う物語」~『すずめの戸締まり』

映画『すずめの戸締まり』、観てきました。
新海誠監督の新作は、17歳の少女・鈴芽が、〈扉〉(・・・それは、日本各地の廃墟にあって、そこから災いが入ってくる・・・)を閉めてあるくという旅のお話、冒険物語でした。神様の使いの猫を案内役に、鈴芽が幼い頃に母親が作ってくれた「椅子」に姿を変えられてしまった “イケメン大学生” の「閉じ師」と一緒に。

まだ公開されて1週間なので、あまり内容には触れませんが、きっと多くの人にとって…でしょうが 私にとって、いろいろと心に響く作品でした。また凄い作品を作ったものだなぁ…と。
新海監督が「課題」と言っていたものを題材にした本作が今のタイミングで世に出たことの意味にも、じんわりしてしまいました。

ひとつ、私てきに ぐっときたところですが…
冒頭、鈴芽が繰り返し見るという夢のシーンが出てくるのですが、それは「幼い鈴芽が、広大な草原や廃墟のなかを彷徨い歩く夢」でした。その夢のなか、泣いて蹲っているときに背後から近寄る女性がいるのですが、それが誰だったかというと……。

新海監督の言葉ですが、「必死に普通に生きてきた 12年という時間が鈴芽自身を救う話 にしたかった」とのこと。
なるほど、鈴芽は旅の終わりに、傷ついて泣いていた自分自身に語りかけに行ったわけです。「あなたはちゃんと大きくなるよ」と。

過去の自分、未来の自分と、私たちは一緒に生きている。
自分は、今を乗り越えることができる。なぜならば、未来には今を乗り越えた自分がいるから。
新海監督、そのようにも語っています。

恐れ入りました…と胸いっぱいになりました。
他人じゃなくて自分自身が自分を救う物語。それが「成長」、それが「人生」だなぁと。

 

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