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遅ればせながらの『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』

“韓国初の、自閉スペクトラム症を持つ天才新人弁護士” ウ・ヨンウが、同僚や親友、家族と支え合いながら、彼女ならではの視点で事件を次々解決に導く法廷ドラマシリーズです。2022年の作品ですね。
Netflixを開く度に何度も目にしていたタイトルで、韓国のみならずたくさんの国で大ヒットした作品ということは知っていましたが、”韓流ドラマ” に対して持っていたイメージ(なんだか、とかく激しそう・・・)のせいで 食わず嫌いをして、これまで観ることなくきていました。
が、先日 友人と食事をしていたときに、韓国ドラマを観るかと訊かれ、全く見ないと答えたら、お勧めがある、あとでリストを送るから、是非見てみて!と言われたのですが、送られてきたリストの筆頭にあったこの『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』、さほど期待せずに観始めたのでした。

観始めると、たちまち引き込まれ、友人の言う通り、ほぼ毎晩時間を作って、半月かからず全16話を見終えましたが、本当に面白い作品でした。

まず、主人公のウ・ヨンウの愛らしさ。独特な言動は興味深く、彼女自身が自分の行動を丁寧に解説する言葉は分かりやすく、気づけば相当 惹きこまれていました、ドラマに出てくる周囲の人々と同様に。

また、法廷ものドラマとしても恋愛ドラマとしても、とても上質でした。毎話 描かれた事件には、韓国の社会が描き出されており、それは日本に生きる私たちにも身に覚えのある問題でした。マイノリティの立場にある人たちに対する社会の差別意識も、親子の情愛も家族の確執も、大いに共感しながら観ました。

ウ・ヨンウが自分のことを、ドキュメンタリー番組で見た “迷子のイッカク” にそっくりなのだ、という台詞がありました。
迷子のイッカクはシロイルカの群れに混ざり一緒に暮らしていた、慣れない海で慣れないシロイルカと暮らしているイッカクは、みんなと違うからなかなか溶け込めないし、嫌われることも多い、と。
そして、
それでも私は平気です、これが私の人生だから。
私の人生は、おかしくて風変りだけど、価値があって美しいです。
そう言いました。

目頭にきました。
この作品は、「私の頭の中は自分のことでいっぱいで、そばにいる人を孤独にさせます。いつ、なぜそうさせたかも気づかず、どうすべきかもわかりません」と自分のことを言う、自閉スペクトラム症のウ・ヨンウが、その素直さ、純粋な愛らしさと “天才肌” であることによって、職場の仲間の心を動かし、信頼関係を築いていきます。

この作品は、「普通ではない」ことを肯定するお話でした。自分と “違う” 人を理解して共に生きていく、優しい世界を描いていました。
友人の強いススメのおかげで出会えた、忘れられない作品になりました。よかったです。

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