先週末 相談室に、懐かしいお客様がいらっしゃいました。
Kさん(50代女性)、10年以上前から利用してくださっている、郷家カウンセリングルームにとって最も古いお客様のおひとりです。
今回はほぼ2年ぶりのご来室。
過去のそれと随分と違っているオーラをまとって入室してこられた彼女に、その後どう過ごされていたのだろう、どんなことを体験されたんだろう・・・と、持ってきてくださっているお話が俄然楽しみになりましたが、
実際に彼女の口から語られた この2年のお話に、私は なるほどー、なるほどー、と感心するばかりでした。
Kさんは、繊細なお客様たちのなかでも ひと際 繊細な方で、生まれ育ったご実家での暮らしにおいては、その繊細さゆえ、ご家族から(社会から…ではなくご家族から)精神的に引きこもって大きくなった方です。サバイブするためには そうするよりほかなかったのだと思いますが、子どもだった彼女にとって、1人きりで過ごすお家というのは どんな「世界」だったんでしょう・・・。
彼女が持って生まれてきた ”彼女らしさ” ”彼女の強み” “彼女の良さ” は、大抵は仕舞い込み押し込むことで「温存」が図られてきたのだと思いますが、
その 「温存」のために諦めなければならなかったこと、失われてしまったものも、もちろんあって、それは成人して家を離れ独立した頃の彼女が、”仮の” “偽りの” 自分を、小さく窮屈に生きるしかなかったことの原因になったことでしょう。
10年前に40代で私を訪ねて来てくれた彼女は、人生の「起承転結」の「転」のところを迎えていたはずですが、どうしたら「これでよし」と思える生活・人生にしていかれるのか、分からなくて戸惑っているように見えました。
Kさんは、何をやらせてもそつなくこなす、とても優秀な人なのですが、
なんというか10年前の彼女は、
この地球の、どこにどんなふうに立てばよいのか・・・、
長らく使ってこなかった「感情」の容器の蓋を、どんなときにどれくらい開けるのが正しいのか・・・
というようなことを知りたくて、知って安心したくて、来室を続けセッションを重ねてくれていたんじゃないかと思います。
へぇ、地球人ってそんなかんじなんですね・・・みたいな調子の彼女でした・・・。
お会いする時期・しない時期・・・を繰り返しながら、彼女の10年の月日は進んだわけですが、今回2年ぶりにお会いした私が深く感じ入ったのは、
彼女が、簡単ではないプロジェクト(彼女の今世の人生の、おそらくメインのテーマに関わることです)を、ちゃんと時間をかけて、誰かに委ねてしまったり投げ出してしまったりすることなく、淡々と独りで進めていたことを知ったからでした。
私もそうなのですが、彼女はきっと生まれたときから、あるいは母親のおなかの中に生命を宿したときから、「なんか違う・・・」「なんか違う・・・」と戸惑い、いつも一人きりだという感覚で寂しかったと思うんですね。
でも、自分の心身の “仕様” や、両親、家族といった “環境” ・・・という、どうしようもなく思える「設定」を、若い頃は完全否定していたけれど、40代、50代・・・と年を取るうちに、受け入れて、そして生かさねば、愛さねば・・・と思うようになって、そしてそうなってはじめて始まる「ほんとの自分の人生」を、彼女は生き始めたんだと思うのです。
その歩みが間違っていないこと、それこそが忘れているけれど生まれてくるにあたって意気込んだに違いない、今回の人生の目標、目的であったんだ、ということを、彼女はいま体験しつつある・・・。
お話伺っていて私は、そのことをはっきりと感じました。
大きな病気を体験した後、お仕事を変えたことで よい人たちとの新たな出会いをしたという彼女ですが、聞けばどの出来事も、”上” が、そうそうその調子!、よかったね!と言ってくれているような出来事なんですよね。
よく頑張ってきたね、と祝福されているのだと思います。
苦労もたくさんあったでしょうが、そんなステージまで来たんだなぁ、すごいなぁ、ほんとによかったなぁと思って、ちょっと瞼の裏ががくんとなりました。
カウンセラーって、お客様が よい状態でないときに出会い、回復した後のことは知らされることがない・・・ということが多いわけですが、
この、10年のお付き合いのあるKさんのようなお客様が “別に新たな悩みがあるわけではないのに” 近況を知らせに来てくださることというのは、じつにありがたいです。
数は多くないですがこんなふうに、真摯に生きる人が その楽ではなかった人生を創りかえていく・・・という長いプロセスを見せていただき、私も大いに考えさせられたり感動させてもらったりする・・・ということが、ときどきあります。ほんとうにありがたいことです。
Kさんにはまた、物語の続きを聞かせてもらいです。
Kさん、是非またいらっしゃってください!

