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「なぜか すごく 苦手」はどこから来ているか

「なぜか自分は、”頭の悪い、そして訳の分からないことをワメくタイプの女性客” が尋常じゃなく苦手。嫌すぎて体の調子も悪くなるので困ってしまう」
というご相談に来られた方がありました。Aさん、40代男性。

Aさんは企画営業職の方で、お客様のお宅を訪ねて細かな聴き取りや打ち合わせをして・・・というお仕事をされていましたが、とにかく、”理解力の低い、喧しくものを言う中高年の女性客” を相手にしなければならない・・・となると、嫌で嫌で体調を崩してしまう、吐き気を催すどころか本当に吐いてしまったりする、そうなる度に担当を外してもらったりしてきたけれど、でも「理解力の低い、喧しくものを言う中高年の女性客」は少なくないのだし、いつまでもこんなふうでは困る、なんとか克服したい、平気になりたい・・・とのことでした。

「なぜか自分は、酒に酔ってウトウトしているような男を見ると、どうにも許せない気持ちになる。なぜなのかは分からないけれど、絶対に許せない」
とおっしゃったBさん(30代の女性)。
それが “知らない人” なら、まだよいが、自分の友達や恋人となると、もう本当にダメなのだ、と。
二人で、あるいは何人かで、楽しく飲んでいるうちから、なぜか嫌な動悸が始まり(ああ、もうじき酔っぱらって寝てしまうんだ・・・と思うからだそうです)、実際に酔っぱらってウトウトし始めたり眠ってしまったりすると、相手や周囲が引くほどの怒りで激しく責めるか、何日も機嫌の悪さから回復できない。自分でもおかしいと思うがどうしようもない・・・とのことでした。

この2つのお話・・・もうお分かりになった方もいらっしゃるでしょうが、
Aさん、Bさんの “尋常じゃない” “おかしいと思うのにどうしようもない” レベルの強い反応は、随分と昔、自分が子どもだった頃に、そのことで傷ついた経験があったせいで起こっていたものでした。

「”頭の悪い、そして訳の分からないことをワメくタイプの女性客” が尋常じゃなく苦手」なAさんは、
そういえば自分の母親は少しだけ知能が低くて、そのせいで自分は苦労をしたし、近所や学校で恥をかいた、母が普通の母親なら当たり前にできたはずのことができなかったことで自分は大人の役割を担わざるを得なかった、何より自分は心細かったし寂しかったんだ、自分は母親に対して怒ってるし傷は癒えていないんだ、と気づきました。

「酒に酔ってウトウトしているような男が、どうにも許せない」Bさんは、
そういえば私の父親は自分が子どもの頃、毎晩のように酒を飲んでクダを巻き、私の話など聞いてくれず、それどころかトローンとした目で自分を眺めては酷い言葉で罵り、そこで寝るなと言う母親とは必ず喧嘩になり・・・というふうだった、
男が酔ってウトウトしたり横になったりする・・・というのは私にとって、「これで平和な時間は終了、嵐の始まり」という合図になっていたんだ、私は父のお酒によって傷ついてたんだ、と気づきました。

自分を悩ませる、身体的・感情的な反応の原因が、子ども時代の傷つき、それが癒されていないことにある・・・、これはよくあるお話です。
「なんでこれまで気づかなかったんだろう・・・」と皆さんおっしゃいますが、あっ!と気づいて、そうかそうか自分はそんな思いをしていたんだな、可哀相だったな、ご苦労さん・・・、と共感の光を送ってあげることができると、それだけで癒されて、なぜだか分からないと思ってきた強い反応が、ほとんど消えてしまう・・・ということも、少なくありません。

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