何日か前に Twitter で見かけた投稿に、こんなのがありました。保存しなかったので うろ覚えですが…。
猫の保護活動をされている方のもので、
亡くなった飼い猫の残ってしまったごはんを寄付していただくことがよくあるのだけれど、いろいろな種類のごはんやおやつが沢山あると、その飼い主さんは、少しでも食べてほしくて必死だったのだろうな…、まだまだ生きてくれると思ってこんなに買ったのだろうな…と想像して泣いてしまう…
という内容でした。
動物を飼ったことのある人は、食べられなくなってきた子に、なんとか食べてほしくて いろいろと買って与えてみたりした経験があるかもしれませんね。私も、飼っていた犬や猫たちが死んでいく前は そんなふうだったなぁと思い出して、思わず涙してしまったのですが・・・
上の投稿者さんの言葉って、同じ立場の人ならみんながそう思うというわけではなくて(「たくさんの寄付品、ありがたい」とだけ思う人は多いことでしょう)、それはその方の感性と想像力ですよね。
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以前にも書いたことがあったと思いますが、私は、ただのデータ、ただの物から、人の思いを拾ってしまうところがあります。
作家の小川洋子さんが、こんなことをおっしゃっているのを読んだことがあります。
日航機の墜落事故のドキュメント本の巻末に載っていた、乗客の一行ずつの情報(氏名・年齢・搭乗目的…。そこには何の感情も込められていない…)を、一日じゅう読んでいられる、その一行からその方の人生の「物語」を読み取って抜け出せなくなる…というお話でしたが、それを読んだ時は、あ…私も同じだ、私もそれやった…と思いました。
私も、新聞に載った五百余名の情報を隅から隅まで読んでいたら何時間も経っていた…というのをやったことがあったのです。
それから、いま思い出したのですが、坂元裕二さんのドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の中の1シーン。主人公の音(演:有村架純さん)が、恋人の亡くなったお祖父さんが毎日着ていたズボンのポケットから たくさんのレシートを見つけて、そのレシートの日時と買った商品から、お祖父さんの最期の日々を想像して語ってみせる…というものでしたが、それにもすごく共感しました。
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冒頭の「猫さんの沢山のごはんの寄付」を見て泣いてしまうという投稿や、小川洋子さんが飛行機事故の犠牲者のお名前一覧からその方たちお一人お一人のことを想ってしまうというお話や、『いつかこの恋を…』の何枚ものレシートのお話はどれも、単なる物、単なる情報から、誰かの思いや行動を想像する人のお話ですが、私もきっとそう感じるだろう、私もきっとそうするだろう…と思って、大いに共感するのです。
お客様にも、共感性がすごく高かったり、妄想族(!)だったり、サイコメトリー(物体に残る思念を読み取る力)の気があったり…という、私と同類の方が結構いらっしゃいます。
私は自分のそういうところを、若い頃は めんどくさいな、とか、誰にも理解されなくて寂しいな、とか思っていましたが、この、単なる物や情報のなかに人の思いを見てそれを拾ってしまうところ、今は気に入っています。気に入らないと言っても無くせない性質ですしね。
なのでお客様にも、その繊細に感じ取る性質は大切にしていきましょうよ、きっと世界を少し滑らかにしたり誰かの救いや癒しになったりすることもあると思いますもの!…とお話ししています。
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