今期 観ているドラマのひとつ『いちばんすきな花』。
第4話では、夜々ちゃん(今田美桜さん)が 田舎から会いに来たというお母さん(斉藤由貴さん)に、今まで言えなかったことを涙ながらに伝えるシーンがありました。
「ママのことは嫌いじゃない。好きだよ。好きやけど、嫌いなところがいっぱいある。私の好きなもの、わかった気になっとうところがすっごい嫌い」
お母さんにとっては、男の子3人の次に 生まれてきてくれた “可愛い可愛い女の子” の夜々ちゃん。容姿も本当に可愛らしいですしね、自分の理想どおりに愛情込めて大事に育てて来たんでしょう。だから、成人して自立して東京で1人で暮らしている娘のマンションに、合鍵で勝手に入り、世話を焼き、人間関係にも口出しをしてしまう・・・。
でも、娘の夜々ちゃんのほうは、お母さんに、自分の好きなものややりたいことを言えずに従ってきていたけれど、ほんとは「女の子でいることがどうしようもなく辛くなるときがある」し、母親は「お気に入りのお人形を産んでそれで遊んでいるだけ」なんだという思いを持っていたんですね。
“母親が重い” と感じてきた人には、いろいろと喚起されるシーンだっただろうな…と思いました。
母親は子どものことを、子どもの好きなものを、わかった気になっている・・・。あぁそうだなぁ…と、私も どきっとしました。
今までお母さんの押し付けを受け入れ従ってきた夜々ちゃん、ほんとの思いを言えずにきた夜々ちゃんが、ついにお母さんに思いを伝えられたのは、夜々ちゃんが、心の拠り所を得たからでしょう。わかってくれる友達ができたからでしょう。
好きだなぁ、このドラマ、と思いました。
私の好きなドラマ『カルテット』でも描かれましたが、男女2人ずつ、4人の関係を描いていくドラマなんですね、この『いちばんすきな花』は。
大人になってからでも友達はできるのか、男女の間にも友情は成立するのか・・・、そのへんがテーマなのかな?
この作品、”クワトロ主演” となっています。新しいですね。
この4人は、別々の人生を歩んできた、年齢も境遇も違う4人ですが、それぞれに人間関係の難しさを体験してきました。誰かとの「2人組」は難しい・・・と。
でも、4人ともほんとに繊細で優しい。愛おしいです、私から見ると。
第3話には、椿(松下洸平さん)が「1人で大丈夫って思えるのは、1人じゃないって分かったときなんだなって…」というセリフがありましたが、1人じゃないんだな…と思わせてくれる3人との出会いが、それまでの自分を少しずつ変えていく・・・というお話になっていくのでしょう。
この作品、昨年話題になった『silent』(私は未視聴)のプロデューサーと脚本家が再タッグを組んでいるとのことですが、脚本家さん、1993年生まれとのこと。驚きました。30歳でこういうものを書けちゃうのか…と。
若い人が作っている…ということにもなんだか嬉しくなっている私ですが、きっと、何度も はっとさせられたり震わせられたりすることでしょう。楽しみに観ていきたいと思います。
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