BLOG

「それが僕の望みです」

朝ドラ『虎に翼』。
主役の伊藤沙莉さんも、仲野太賀くんも、ほんとにいいです。
太賀くんの良さは私、2008年の映画『青い鳥』に出演しているのを見たのが初めてでしたがそのときに、「この子はいいっ!」「きっと名優になっていく!」と思ってました。以来、大好きで応援している俳優さん。
のちに売れる俳優にいち早く気づけるのを私は「特技なんだ」と周囲に言ってるんですが、 太賀くん、ほんとにご活躍で、再来年は大河ドラマの主演ですもんね(ほらね~とちょっとドヤった次第です笑)。

さて先週は、主人公の寅子の兄が出征し、夫が出征し・・・と辛い週になりました。
夫の優三が出征していった日の回は、たいそう泣きました、対面セッションがない日で助かった…というくらいに。

優三に赤紙が届き、結果的に最後になってしまった寅子と優三の河原デートで、寅子は突然土下座をして優三に謝るシーンがありました。
自分は自分の我儘であなたと結婚した、あなたが法曹の道を諦めないよう説得しなかった、自分が弁護士として出世するためにあなたと結婚したのにすぐ辞めて、あなたの優しさにつけこんで子供をつくって、結局あなたは戦地へ行って離れ離れになることになって・・・
だから自分にできるのは謝ることぐらいなんだ、と・・・。

それに対して優三はこう言いました。すごく優しい目をして、ゆっくりと穏やかに。

「寅ちゃんが僕にできるのは謝ることじゃないよ。
寅ちゃんができるのは、寅ちゃんの好きに生きることです。また弁護士をしてもいいし、別の仕事を始めてもいい。優未のいいお母さんでいてもいい。僕の大好きな、何かに無我夢中になっているときの寅ちゃんの顔をして、何かを頑張ってくれること。・・・いや、やっぱり頑張らなくてもいい。
寅ちゃんが後悔せず、心から人生をやりきってくれること。それが僕の望みです」

頑張ってもいいし、頑張らなくてもいい。後悔のないよう、心から人生をやりきってくれることが僕の望みなんだ、と・・・。
もう生きて戻れないだろうと覚悟しての、心を込めての遺言なわけですが、「ずーっと寅ちゃんを好きだった」優三さんの、大きな愛の言葉でした。
(この言葉を書くために録画を見直して書き起こしながら、また泣いた・・・)

ドラマウォッチャーで すごくたくさんのドラマを見ている私ですが、そんな私にとっての「名場面集」の筆頭にくるような、心に残るシーンでした。

愛ですよね。深い愛。
こんなあなたでいてほしいだの、ずっとそばにいるだの、そういうレベルを遥かに超えている愛、「祈り」の言葉でした。

今日の回では、収容所の病院で隣のベッドだったという人が訪ねてきました。
「戦病死」した優三は、病状が悪化した自分に、「このお守りにはとてつもないご利益がある」と言って握らせてくれたのだ、と言って、寅子が優三に作って持たせたお守りを、届けに来てくれたのでした。短い間だったけれど、とても優しい、いい男でした、と。

このこと(優三という人が最後まで愛の人だったと知らせてもらったこと)と、母ハルの心遣いと・・・
やっぱり、人をその人の道へと連れ戻して歩かせるのは、愛なんだなぁ・・・と、しみじみな朝でした(とまた泣く・・・)。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP