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「頭ではわかっているのに、なぜ」

暮らしの中で遭遇する様々な出来事のうち、自分の心を乱されたり元気を奪われたり頭を悩ませることになるもの。
それらを解決しよう、越えていこうと思うときに、「また同じことを考えて堂々巡りをしてしまった」「どうしていつもいつも、ネガティブで不健康な捉え方や思考をして、問題を拗らせてしまうんだろう」…そういうことをおっしゃる人がいます。

「何か問題を抱えたけれど、それを解決した」というとき、”反省” をしたり 新しい考え方を採り入れて それに基づいて行動してみたり…ということをして、成長しているはずなのに、
相変わらず同じようなことに煩わされたり心身にダメージをくらったりすることになる…というのはどういうことなんだろう、
頭ではわかっているはずなのに、それによる上手な対処ができないのはどういうわけなんだろう、と。

こういうお話を伺ったときにお伝えするのは、私たちの感情や思考や行動を支配している、強固な《信念》のお話です。
私たちは、幼い頃に体験したこと、学習したことをもとに《信念》を持ちます。心に強く擦り込まれるのは7歳くらいまでの時期、と言われています)が、これは、気づいて手放すことができない限り、50歳になろうが80歳になろうが生活・人生をコントロールする力を持ちます。

こんな考え方は不健康だからやめよう、同じことを繰り返さないように気を付けよう、などと自分に言い聞かせて過ごしていても、やっぱり同じようなことが起きれば同じようなことを思い同じように考え同じような行動をして、またやってしまった…ということになります。
ある出来事が《信念》を通して認識されて何らかの感情を抱くまでの時間は、なんと1000分の1秒と言われています。速い!ほんとに瞬時に気持ちは決まります。それを訂正、撤回しようと思っても難しいでしょう。
たとえば、「私は絶対に成功できない」「私の人生は孤独だ」「私は迷惑な存在だ」「私は人から大切にされない」などという強い信念を持っているとしたら、何かの出来事の受け止め方と行動は、決して好ましいものにはならないのです。

先日、友人(同じカウンセラーをしています)がこんなエピソードを聞かせてくれました。
「主人がせっかく食料品の買い出しを申し出てくれたからリストを預けて任せたら、たくさんあった品物のうち、私のためのヨーグルト “だけ” 買いそびれて帰って来た」「わたし用の品物を忘れたのは “たまたま” なのは分かっているはずなのに、猛烈に怒ってしまった」「怒りと不機嫌さはなかなか収められなくて、せっかくの休日を台無しにしてしまって自己嫌悪」「私はまだまだ癒されていない。『私は誰からも大切にされない』というビリーフ(信念)を書き換えられていない。そのことにちょっと落ち込んだ」
という話でした。

たかがヨーグルト1個を忘れられただけ。でも、すごく腹が立って、そして悲しかった。
これ、わかるなぁ…という人、いらっしゃるでしょう。

『私は誰からも大切にされない』という《信念》を持っている、というのは、そのように思い込んだ50年近く前の “子どもの私の世界” をいまだに生きている、ということです。大人の私はいろいろ知っているし、もう大丈夫だというのに。

多くの人が、傷ついたままの子どもの自分(インナーチャイルド)の癒えていない傷から行動している、ということに気づけずにいます。いい年をしてそんなことがあるはずはない、と。
でも、大人の自分の理性 vs インナーチャイルドの反応 は、圧倒的にインナーチャイルドが勝ちます。”乳母車 vs トラック” くらいの差かもしれません。

人生を辛く不自由にしている《信念》を見つけたら、丁寧に、愛情をもって取り扱い、準備ができたと思えたところで「今までご苦労様。もう要らない。さよなら」と言って捨てたいと思います。

これには勇気や根気とテクニックが要りますが、お手伝いできますからご相談ください。

 

 

 

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