自宅のリビングのエアコン。騙し騙し使ってきましたが、どうも限界を迎えたようで･･･。
14年も働いてくれたものなので仕方ないな、ということで、修理は頼まず買い替えることにしたのですが、18畳用という大きなサイズのものなので、いつも使っている家電店のサイトで調べていたら、なかには30万円を超えるものもあったりして「ううっ…イタい（涙）」と。

以前、エアコン清掃の業者さんから「エアコン買うときは、いちばん安いクラスのものでいいですよ。お掃除機能付きのなんて買っちゃいけませんよ」と教わっていたので それに従い、その業者さんが教えてくれた「おススメしないメーカー」をハジいて、お値段の安いものを見て、決めました。
我が家のエアコンはほとんどＤ社のものなのですが、今回はＭ社の「霧ヶ峰」になりました。

で、その「霧ヶ峰」という名前をエアコンの取説の表紙に見て思い出したこと。
私が小学生の頃、後に公務員になった父親はまだ、一般企業の社員でした。その会社の所有する山荘が長野の蓼科にあって、夏休みにはよく、その山荘へ家族親族一緒に泊まりに行ったものでした。
蓼科ー白樺湖ー美ヶ原ー霧ヶ峰…など、めぐった場所の名前もよく憶えています。今回のエアコンの名前も、それらの地名のひとつ、ということです。

＊

今回ふと思い出したのは、たぶん10歳のときですが、その蓼科の山荘の前の草原で、父親とバレーボールのパスのラリーをした光景でした。
たぶん、その年くらいに私は、父の希望に従って、スポーツ少年団のバレーボールのチームに入り、父の期待に応えて活躍をし、その後、中学校はバレーボールの強豪校へ入り･･･という “暗黒の時代” に突入していくわけですが（過去のブログやＨＰのプロフィールを読まれている方はご存じかと思いますが、私には「記憶がマバラ」という時期があります。年休２日でバレー部の活動に励み、打ち込み過ぎて、辛すぎて、いろいろと閉ざしていた中学時代です。高校時代は、これまたバレーボールの強豪校に無理やり進まされたものの入部を拒否して、それ以降、父からは口をきいてもらえず無視される…という日々になりました。その後、父が病気に倒れた時も、娘の私が父の夢を叶えなかったことが大きな原因、とされましたので、ほんとに やれやれ…なのですが…）、
その夏の、蓼科山荘での父とのバレーボールを私は、50年経った今でも、忘れられない思い出として心の隅っこのところに持っていた、ということに、この度気づいたのです、新しいエアコンの名前のおかげで（笑）。

この「父親とのバレーボール」はもちろん、よくある「小さい頃、親父とキャッチボールをした 楽しい思い出」などとは違います。家族、親族が注目するなか、父と私はバレーボールのラリーを披露したのですが、父は本当に嬉しそうでした。得意げでした。

私はといえば…なのですが、今回その光景とともに思い出したことですが、父とバレーボールをしながら、なぜか “人知れず涙を流していた” のです。

あれは何だったんだろう･･･。

そのことをこの度、ちょっと時間を取り瞑想状態を作って、丁寧に思い出してみました。

そうしたら分かったのは、
あのとき10歳の私は
「これからは私は、お父さんお母さんの希望を叶えるため、活躍して喜ばせるために、バレーボールの道を行くことにするよ」
「これからは、読書とか遊びの時間も、体を鍛えることとバレーボールの練習に充てるよ」
「厳しい辛い道かもしれないけど、いろいろ諦めて、バレーボールに注ぐよ」
と、心の中にひっそりと存在していた秘密の自分に、その覚悟を宣言として伝え、
「いろいろ葬る形になるけど、ごめんね。仕方ないんだ」と伝えた時に、涙が溢れて止まらなかった、
ということでした。

生き生きと自分らしくありたいと思いながら、でも、そうすることが出来なくて「いつか…」「いつか…」と出番を待っていた〈本当の自分〉を、あのとき私は自分の意思で “埋める” ことにしたんだ…、と分かりました。

人知れず、10歳の自分なりの儀式をしていた最中の、さよならの涙だったんですね、あれは。
大人っぽい10歳の私だな、と苦笑するばかりですが、あの時から、いろいろと自分の気持ちは封じ込めて両親を喜ばせよう、両親の誉となろう、そう決意して、向いてもいないバレーボール選手の道を選んだ10歳の自分や、その後バレーボールを辞めたことで父親を落胆させ、また、父の悲しみや病気を自分のせいだと思って罪悪感に苦しんだ10代～20代の自分を、還暦の私は精一杯ねぎらい、褒めてやりに “行きました” 。

思いがけず「エアコン霧ヶ峰」のおかげで セルフヒーリング特別版☆ができた話でした。